検索窓
今日:17 hit、昨日:33 hit、合計:597,834 hit

第参話 遅い帰り ページ5

.



「「ごちそうさまでした!!」」

『お粗末さま。ほーら、皿運んでこーい』



母さんと2人で作った夕飯を、家族で食卓を囲んで食べる。
俺は、この時間が1日で一番好きだ。

みんなの顔を見ながら母さんの美味しいご飯を食べられることが、何より幸せである。


ただ、今日はやはり違ったことがあって。



『炭治郎帰ってこないな…』

「やっぱり…行かせない方が良かったかしら」


玄関の引き戸をガラガラと開けて、真っ暗な外を見る。また雪が降っていた。

昼過ぎに炭を売りに行った炭治郎が、まだ戻ってこない。
いつも町で、たくさん声をかけられるそうだから、帰ってくるのはいつも夕飯の時間ちょうどなのだが…。

それにしたって、今日は遅い。



『うーん…熊っぽい匂いはしないなぁ…
どっかで襲われてるってわけじゃないと思うけど…』

「……炭治郎…」


炭治郎ほどは良くないが、人間とそれ以外の匂いを嗅ぎ分けられる鼻を使ったが、獣のような匂いはしなかった。

後ろに立った母さんが、心配そうな声を上げた。



『……大丈夫だよ。多分…三郎爺ちゃんのとこじゃないかな。遅くなったから泊まってけって言われたのかも』

「そうかしら…それだったらいいのだけど…」

『きっとそうだよ。明日の朝すぐに帰ってくるって』



母さんの手をぎゅっと握って、笑いかける。
絶対大丈夫。炭治郎は無事だって想いを込めて。


『さ、もう寝よう!今日はいつもより寒いし。炭治郎はきっと朝早く帰ってくるし。ね?』

「…そうね」

『よぉし!お前ら〜、寝るから布団敷き競争だ!』


引き戸を閉める。
熊が入ってこないように、施錠もしっかりと。

まあ、熊なら突き破って入ってくるかもしれないけど……




「おやすみなさい、優兄さん」

『おやすみ、禰豆子。
竹雄、茂、花子、六太、母さん』


禰豆子やみんなに声をかけて、
7人で布団を並べて横になる。



明日も、心地よい朝日が見られますように。




おやすみなさい。




.

第肆話 幸せが壊れる時には→←第弐話 心のざわざわ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (699 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1502人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年9月16日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。