第弐話 心のざわざわ ページ4
.
「そ…それならいいけど…」
『よっし、決まりだな!』
照れたように俯いた竹雄の頭をぐしゃぐしゃと撫で回すと、炭治郎が「ありがとう、兄ちゃん」と言ってきた。
『んー?気にすんなよ炭治郎。俺も一緒に炭売りにいけたらいいんだけどなぁ。俺が行ったら、炭の売れ行きに影響が出るかもしれないし……
俺こそ、ごめんな、炭治郎』
「影響なんて出ないと思うけど…兄ちゃんこそ、謝ることなんて何もないのに」
困ったような顔になってしまった炭治郎。
こんなときに言うのもあれだけど、俺はほんとにいい弟を持ったなぁ。
『はは、じゃあお互い様だな!
いってらっしゃい炭治郎。夕飯作って待ってるからな』
「うん、行ってきます。
竹雄も茂も花子も、母さんも」
炭治郎は、雪の中をざくざくと歩いて行った。
おそらく、禰豆子が六太を寝かしつけているところに会っただろうが……
ちら、と空を見た。
雪がまた降ってきていた。
季節は冬なんだから当たり前のことだけど…
それでも、なんだか少し落ち着かなかった。
『(炭治郎…無事に……)』
なんでこんなことを思うのだろう。
いつも通り。いつも通りのはずなのに…
「優兄ちゃん!!」
『っ…どうした?』
「木、一緒に切ってくれんだろ!早くしないと、夕飯の準備の時間になっちまう!!」
急かすように言う竹雄を見て、心のざわざわは消えていった。
玄関に立てかけてあった斧を持つ。
『おう!じゃ切ろうか。
茂、花子。危ないから離れてろよ』
「わかった!」
茂と花子を離れさせ、木を切り始めた。
.
1502人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:仍 | 作成日時:2019年9月16日 14時