第弐拾伍話 責任 ページ27
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『っ、だめ、だ…!!』
「!!!」
死体の方へ一歩踏み出した禰豆子の肩を並 掴んだのは、優之心だった。
優之心は、炭治郎が「血の匂いがする」と言ったときから、2人から離れていた。
また吐いてしまっては迷惑になる。そう考え、木の後ろに隠れた。
炭治郎が怪我人の手当てを終えたら出ようとしていたのであるが、障子を開けた炭治郎が中を見たまま動かず、さらには吹き飛ばされてきたので、緊急事態だと優之心は木の後ろから出てきた。
炭治郎の元に向かおうとして、優之心は感じ取った。
禰豆子が、人を喰おうとしている。
禰豆子はお腹が空いている。
禰豆子は人を喰べたいんだ。
自分と違って、血肉を見て吐いてしまうわけではない。
でも、だめだ。
それだけは、鬼になってしまうことは、絶対にだめだ…!!!
禰豆子の兄として、止めなければならない。
優之心は自分の責任と感じ、堂まで走ったのだった。
『ね、ずこ…!たん、じろ…たすぇ、るぞ!!』
「……!」
爪が刺さらないように肩を掴み、自分と目を合わさせる。
外で鬼と対峙している炭治郎も視界に入れさせて、必死に止める。
炭治郎を助けに行くように伝えると、目を見開き、すぐに首を縦に振った。
______
(炭治郎side)
鬼の顎を斧で削ったが、すぐに治されてしまった。
鬼って、こんなに早く傷が治るのか…!?
一瞬で距離を詰められてしまった。
腕を押さえつけられて、頸を絞められる。
「(速い!それになんて強い力だ!!)」
「二度はやられねぇよ。さあ頸を折るぞ…」
頸からミシミシと音が鳴り始めたとき、目の前にあった鬼の頭がなくなった。
頸は木に吹っ飛んでいき、俺の上には頸のない身体だけが残った。
何事かと周りを見ると、禰豆子がフウフウ息を荒げながら立っていた。
「(こっ…殺してしまった!いやでも相手は鬼だから…!)
ねっ、禰豆子……」
声をかけようとした時、視界に鬼の手が入った。
反応ができなくて、不味いと思った瞬間、鬼の身体は頸のように、禰豆子に蹴り飛ばされていた。
……俺の妹が、強い…
いや、それよりも!!!
「(信じられない!首がもげてるのに動いたのか、今)」
なんておぞましい、本当におぞましい。
恐怖を覚えると、
「てめぇえらぁあ!!!」
「(喋った!!!)」
鬼の首が喋った。
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しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仍 | 作成日時:2019年9月16日 14時