検索窓
今日:14 hit、昨日:288 hit、合計:597,530 hit

第弐拾伍話 責任 ページ27

.




『っ、だめ、だ…!!』

「!!!」




死体の方へ一歩踏み出した禰豆子の肩を並 掴んだのは、優之心だった。



優之心は、炭治郎が「血の匂いがする」と言ったときから、2人から離れていた。

また吐いてしまっては迷惑になる。そう考え、木の後ろに隠れた。

炭治郎が怪我人の手当てを終えたら出ようとしていたのであるが、障子を開けた炭治郎が中を見たまま動かず、さらには吹き飛ばされてきたので、緊急事態だと優之心は木の後ろから出てきた。


炭治郎の元に向かおうとして、優之心は感じ取った。






禰豆子が、人を喰おうとしている。






禰豆子はお腹が空いている。
禰豆子は人を喰べたいんだ。
自分と違って、血肉を見て吐いてしまうわけではない。

でも、だめだ。
それだけは、鬼になってしまうことは、絶対にだめだ…!!!


禰豆子の兄として、止めなければならない。

優之心は自分の責任と感じ、堂まで走ったのだった。



『ね、ずこ…!たん、じろ…たすぇ、るぞ!!』

「……!」



爪が刺さらないように肩を掴み、自分と目を合わさせる。
外で鬼と対峙している炭治郎も視界に入れさせて、必死に止める。

炭治郎を助けに行くように伝えると、目を見開き、すぐに首を縦に振った。



______
(炭治郎side)


鬼の顎を斧で削ったが、すぐに治されてしまった。
鬼って、こんなに早く傷が治るのか…!?


一瞬で距離を詰められてしまった。
腕を押さえつけられて、頸を絞められる。



「(速い!それになんて強い力だ!!)」

「二度はやられねぇよ。さあ頸を折るぞ…」




頸からミシミシと音が鳴り始めたとき、目の前にあった鬼の頭がなくなった。

頸は木に吹っ飛んでいき、俺の上には頸のない身体だけが残った。
何事かと周りを見ると、禰豆子がフウフウ息を荒げながら立っていた。


「(こっ…殺してしまった!いやでも相手は鬼だから…!)

ねっ、禰豆子……」



声をかけようとした時、視界に鬼の手が入った。
反応ができなくて、不味いと思った瞬間、鬼の身体は頸のように、禰豆子に蹴り飛ばされていた。



……俺の妹が、強い…




いや、それよりも!!!


「(信じられない!首がもげてるのに動いたのか、今)」



なんておぞましい、本当におぞましい。

恐怖を覚えると、




「てめぇえらぁあ!!!」


「(喋った!!!)」



鬼の首が喋った。



.

第弐拾陸話 気持ち悪い→←第弐拾肆話 喰べたい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (698 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1502人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年9月16日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。