第拾捌話 違和感 ページ20
(炭治郎side)
_____置き去りにしてごめんね、炭治郎
_____禰豆子と優之心を頼むわね
「っ!!」
誰かがどこかに行ってしまうような気がして、ばちっと目を開き、目の前のものを掴んだ。
息が苦しくて、涙が流れていた。
掴んだものは禰豆子の羽織だった。
当の本人は、竹の口枷をして目を閉じていた。
「起きたか」
息を整えていると、木の陰から先程の男の人が姿を現した。
驚いたのと、また斬られるのではないかという思いで、眠っている禰豆子を抱き寄せた。
「狭霧山の麓に住んでいる 鱗滝左近次 という老人を訪ねろ。冨岡義勇に言われて来たと言え。
それから……」
狭霧山?
鱗滝左近次?
冨岡…義勇?それがこの人の名前なのか?
言われたことが理解できなくて、冨岡さん?の顔をただただ見つめていると、その背後から出てきた人物に衝撃を受けた。
「にっ…兄ちゃん!!?」
『………………』
心配そうな顔で出てきたのは、紛れもなく兄ちゃんだった。
俺と目が合うと、ほっとしたような顔になった。
禰豆子をゆっくり横たわらせて、兄ちゃんに駆け寄る。手を握ると、兄ちゃんはビクッとした。
「兄ちゃん、生きて……よかっ…ごめ……
え、えっと、」
言いたいことが多すぎて纏まらず言葉に詰まっていると、違和感に気がついた。
「(あ、れ……?匂い、が…)」
禰豆子が咆哮のような声をあげた時の匂いに似ている。
優しい匂いはあるんだけど、でも…
そこで、もう2つの違いに気づく。
落ち着きを宿した深い黒色の瞳が、血のような赤色になっている。
何回も何回も頭を撫でてくれた手の爪が、長く鋭くなっている。
頭をよぎる、嫌な予感。
幸せが壊れる匂いがする。
「まさか…兄ちゃん…
鬼に、なったの……?」
『………、……』
兄ちゃんは、寂しそうに笑った。
.
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しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仍 | 作成日時:2019年9月16日 14時