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第拾壱話 生殺与奪の権 ページ13

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それから、俺と目の前の男は言い争っていた。
俺が一方的に、だけど。

冷酷な瞳は、変わることがない。


「鬼を人間に戻す」とか、

「方法は自分で探す」とか、

「殺した奴は見つけ出す」とか。


回らない頭の中に浮かぶ可能性を口に出しても、全て否定される。

でも、俺が禰豆子を守らないといけない。

これ以上、俺から奪わないでくれ…



「やめてください……どうか妹を殺さないでください……お願いします…お願いします……」



雪に、膝と手と額をつける。冷たい。
身体の芯まで冷えてしまいそうだ。

それでも我慢するしかない。この人を説得するには、それしか……





「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!!」





鋭い声が聞こえて、肩が跳ねる。



「惨めったらしくうずくまるのはやめろ!
そんなことが通用するならお前の家族は殺されてない。
奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が、妹を治す?仇を見つける?




笑止千万!!!」




低く鋭い声が空気を震わす。
浴びせられる言葉に、何も返せず呆然とする。

正しいことを言っているのはわかってる。
でも、悔しくて悔しくて、涙が止まらない。頭が熱い。


鬼は、俺の意思を尊重してくれない。当たり前だ。


この人も、俺の意思を尊重しない。当たり前だ。知り合いではないし、鬼を…禰豆子を斬ろうとしている。



どうすればいいんだろう。

どうしたらいいんだろう。




「(兄ちゃん、俺は……優兄ちゃん…!)」



兄ちゃんに助けを求めたって、もう話すことはできない。兄ちゃんは戻ってこないのだ。

それが悲しくて、また涙がこぼれた。


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しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月16日 14時

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