第170話 ページ22
独り言のつもりで呟いたつもりが、彼らにも聞こえたらしく、振り返った。Miraはホッとしたように笑って、掴まれていない方の手で、手を振った
慌ててInkは二人の方に向かって走っていく。二人が戸惑って固まる中、Inkは二人を抱きしめた。
「え、I、Ink！？」
「サ、触ルナ！サッサ、ト、離レッ！！」
「うっ、ぁ……生きてる……生きてるよぉぉ！！」
MiraはInkの反応を気にしながらも、Willeがこれ以上限界なのを悟り、とりあえず離れてもらって、綺麗なハンカチを差し出した。Inkはそれを受け取ると、涙やら鼻水を拭く。
「クソッタレが！」
「もう、機嫌直してよ、Wille。」
何事もなく会話をしている二人を見てInkは、本当に目の前にいるのが、本物の二人であることを確信した。
「Mira姉さん！？」
「あ、Chara！もう、聞いてよ。Willeったら＿＿。」
Miraが話終わる前に、Miraを抱きしめるChara。Charaのそばに居た、Asriel、Friskも彼女に駆け寄って抱きしめた。
「え、え？みんな、どうしたの？なにか、あった？」
Miraの様子を見る限り、どうやら色々と忘れているらしい。なら、忘れたままの方がいいだろう。その場にいた誰もがそう思った。彼女は背負いすぎる癖があるから、黙っていた方が正解だ。
「ごめん、なんでもない。怖い夢を見ちゃっただけなんだ。」
Miraは意外そうな顔をしたあと、そっとCharaの頬を撫でた。擽ったそうにCharaは目を閉じるが、嫌そうではない。AsrielもMiraに頭を撫でてもらう。Friskはその様子を微笑ましそうに見たあと、WilleとInkの方に駆け寄る。
「……Pokerは？」
「……知らねぇよ。Mira、行くぞ。」
「え、で、でも……。」
「ろくに休んでねぇだろ。行くぞ。」
Miraは申し訳なさそうにInkとFriskたちに頭を下げる。Willeに手を引かれ、家へと戻って行った。
「Frisk、Willeたちを助けたのって……。」
「うん！きっとPokerだよ！約束、守ってくれたんだ！」
「それはいいんだけどさ、Willeのやつなんであんなに不機嫌なんだ？」
「うーん……ボクたちの知らないところで何かあったのかな？」
Inkは目を輝かせて、Pokerを探すことにした。彼にお礼を言わなければならない。大事な友達を、数多にあるひとつの在り方の世界を守ってくれたことに。Friskも一緒に行く、と行ってInkと共に歩いていってしまった。CharaとAsrielは顔を見合わせるだけ。
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あゆさ(プロフ) - leiさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！励みになります！！ (2022年5月26日 23時) (
レス) id: aa986c6595 (このIDを非表示/違反報告)
lei(プロフ) - 初コメ失礼します！あゆささんの作品本当に面白いです！とても応援しています!(^^)! (2022年5月26日 17時) (レス) id: 005bcc4d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆさ | 作成日時：2022年4月13日 21時
