第45話 ページ47
インクが話し始めたのは
ナイトメアのことだった。
あいつがAのことを狙ってるのは知ってる。
理由は明白だ。ネガティブな感情を手に入れる為。
Aの目の前であの世界の住人を傷つけることだ。
だが、ナイトメアだってそう何度も
あいつに接触するのは難しいはずだ。
だからインクに身を渡したって変わらない。
「違うよ。こことじゃ全く違う。」
ーーーなんだこいつ。
珍しくハッキリとモノを言いやがる。
それほどあいつのことが好きってことか?
「好きだよ。」
「ーーーハッ、なに真面目に答えてんだよ。」
「彼女は意志のソウルを持つ。けど
それは光にもなれば、闇にもなれるんだ。」
?何が言いたいんだ?
「あの子の心が揺げば、ナイトメアにつくことも
あるんだよ。それなら僕とドリームが彼女の傍に
居た方がいい。ドリームがいるだけで
ナイトメアは嫌がるからね。」
心が揺らぐ?確かにニンゲンは優柔不断だが
あいつがナイトメアにつくイメージが湧かない。
"寄り添うことは出来る。"
ーーーいや、そんなことは。
「彼女は決意を抱けないんだよ。セーブもロードも、
【RESET】も彼女には出来ない。
フリスクやキャラと一緒にしてないよね?」
俺は、そんなことーーー。
知らない、と言いたいのに言えないのはなんでだ。
言うのを拒んでる俺がいる。
あいつがどこで死のうが関係ない。
俺が欲しいのはあいつのソウルだけで。
そう、そうだ。別にあいつが死んだって。
"君の嫌がることをしたくなかったから、かな?"
「彼女をこれ以上、危険な目に遭わせる訳には
いかない。サンズも死んでしまうしね。」
その時、遠くから悲鳴が聞こえた。
インクは急いでその方向へと走っていった。
俺は、インクの言葉を頭の中で繰り返していた。
あいつの言う通りだ。
ここが安全だなんてはっきり言えない。
ドリームの傍の方が安全だ。それでも。
「誰がやるかよ……。」
*
急に引きずり込まれたと思ったら、またここか。
ナイトメアも随分と暇なんだな。
「君がナイトメアの新しいお気に入り?」
後ろから声が聞こえて振り返ると
そこに立っていたのはキラーだった。
ーーーああ、本当に趣味が悪い。
よりによってあったかもしれない
未来の姿のサンズだなんて。
「君を半殺しでもいいから捕まえろって言うんだ。
正直面倒臭いよな、手加減とか難しいし、
ねぇ……殺してもいい?」
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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時