第35話 ページ37
あとはエラーと
敵対してる話だろうか。
恐らくエラーにとっても
彼の存在は鬱陶しいのだろう。
いや、そもそもエラーが鬱陶しいと
思わないものなんてないな。
破壊者を名乗るくらいなんだから。
フリスクは私の隣に座ると
青い糸で吊るされたソウルを眺める。
悪趣味なモノを眺めて気分が悪くならないだろうか?
私は正直なところ気分が悪い。
私のソウルもいつかあんな風に吊るされるのかな。
「Aはどうしてエラーと契約したの?
ドリームかインクに頼れば安全だよ。」
「うーん……そうなんだろうけど、
同じバグ同士だからかな。ちょっと、
親近感が湧いてきちゃって。」
最初はただ単にキャラクターとして接してたけど
この世界で話しているうちにその認識も薄れてきた。
やっぱりAUのみんなも生きてるんだなって。
変なの、そんなのわかってたはずなのに。
私はまだ、第三者の視点でいたんだ。
「変わってるね、Aは。」
「そう?」
「うん。だって本当は恋しいんでしょ?」
ーーーそれはあの世界の話だろうか。
そんなにわかりやすいかな。
結構我慢して、その事をなるべく
口にしないようにしてるのに。
「痛そうに笑うから。他に方法を探そうとは
思わなかったの?」
ーーー他の方法?
それが誰かを傷つけなくちゃいけないことだったら?
そもそも私のソウルは、今はサンズのものだ。
自分自身の体を作り上げたとして
そのソウルを埋め込んだとして
サンズは一体どうなっちゃうの?
私が生きる代わりに彼が死ぬくらいなら私が死ぬ。
私はイレギュラーだから、存在しちゃいけないから。
「……エラーとは真逆だよね、A。
どうして二人が一緒に居られるのか謎だよ。」
二人一緒、というか
お互い踏み込まないようにしてるからじゃないかな。
エラーは積極的に人と触れ合うことはしない。
私は必要以上に踏み込む勇気なんてないから
一線引いてるだけの話だ。
「ねぇ、せめて一度だけ外へ行ってみない?
ちゃんと自分の目で見ないと不安でしょ。」
確かに、彼にならそれも可能なのだろう。
だけどーーー。
"逃げたら契約を破ったってことで
あの世界ぶっ壊せるし。"
私は首を横に振った。
約束は破らないし、破ったら壊されちゃう。
「じゃあ、映像だけ見せるよ。」
フリスクは空中でメニューを開くと
あの世界の映像を映し出した。
トリエルの家に集まっているようだ。
33人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時