第34話 ページ35
思わずエラーと声を合わせて驚く。
え、待って……それって。
「解釈違いなんですけど!」
今度は二人の"は?"という声が合わさる。
あ、それは解釈一致です。
「えっと……どういうことかな?」
ショックを隠せないのか
インクはしょぼんとしている。
うっ……可愛い、可愛いけど!
「私、インエラ派だから。」
明らかに二人の顔が引いてるのがわかった。
酷いなぁ……あっちじゃ当たり前のように
推しカプがいるんですよ。
夢女であり、腐女子だから仕方ない。
本人たちには申し訳ないと思うけど。
でもでも、結局のところは好きな人と
一緒に幸せになるのがいいよね。
それが私にも同じような
出会いがあったなら最高……。
って違う違う!!!そうじゃなくて!
「コホンっ……というわけなので、ごめんなさい。」
「えぇ……むぅ……絶対諦めないからね!
僕は諦めが悪いんだ!」
そういうと彼は帰っていった。
……本当に彼、私のことが好きなのかな?
何か誤魔化しているような気もする。
「はぁ……厄介事が増えたな。」
「え?これ私のせいじゃないよね?」
エラーはこちらを睨む。
責任転嫁にも程があると思いませんか?
「いっそのこと付き合っちまえば
いいんじゃねぇの?」
「うーん……ううん。私、好きな人いるし。勢いで
付き合っても、どっちも傷つくだけだから。」
「ーーーー好きな人?」
意外そうにこちらを見るエラー。
なんだその顔、失礼だな。好きな人がいちゃ悪いか。
「……いや、別に。」
そう言うとエラーは部屋を出ていく。
急に静かになったけど、どうしたんだろ?
「(なんでモヤモヤしてるんだ、俺。)」
*
今日は誰もお客さんが来ない。
エラーも珍しく姿を見せない。
一人でいてもつまらない。
ここには必要最低限のものしかない。
お腹は空かないけど
何か食べたいなぁ、飲みたいなぁ。
「こんにちは。」
布団の上でゴロゴロしていた私の顔を覗き込んだのは
フリスクの顔をした誰かだった。
ここではみんな、驚かせるのが趣味なのか?
「えっと……君はコアフリスク?」
「うん。Aに会いに来たの。」
コアに落とされてしまったフリスクの成れの果て。
彼はサンズを憎んでるという。
そういう設定を調べた気がする。
かといって、他のAUたちは別人として見ているので
自分を落としたサンズだけを
憎んでる、はずだ、多分……。
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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時