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第33話 ページ34

「それに契約破ったら
サンズを殺そうとするでしょ。
なら絶対破らない。」


せっかく地上に出られたんだ。


みんなで楽しく暮らして欲しい。


「……バッカみてぇ。」


エラーはそう言って部屋を出ていこうとした。


私はそれを引き止める。


彼は嫌そうな顔を浮かべながら振り返る。


「昨日は助けてくれてありがとう。嬉しかった。」


「横取りされると思ったから、やっただけだ。」


「それでもだよ。ありがとね、エラー。」


彼は目を見開いたあと、ポリポリと頬をかいて


何処かへ行ってしまった。


ーーーサンズからもらった青いスカーフを見つめ


ギュッと握りしめた。


"お守りだ。お前さんがずっとここにいるって
証だからな。オイラの保証付きだぜ?"


思わず笑みがこぼれる。


そうだね、これがあるから私はーーー


君たちの幸せをずっと祈ることが出来るんだ。


苦だなんて思わない。


君たちを好きでいることに努力なんていらないんだ。


左手首にスカーフを結び直した。


新たな決意を胸にして。


「それ可愛いね!」


真上から声がし、びっくりして後ろへ下がる。


インクは青い糸のせいでぶら下がっているようだ。


話してる最中にでも侵入したのだろうか?


それを察知し、ぐるぐる巻きにしたのか


元々罠として作られていたかの、どちらかだろう。


というかエラー……インクをそのままにしてたの。


「えっと……切ってあげようか?」


「本当に?助かるなぁー。」


近くにあった鋏で青い糸を切る。


彼はなんなく着地をし、嬉しそうに笑う。


そしてこちらに駆け寄ってきて


左手を握り、手首につけたスカーフを見る。


「素敵だね。君によく似合ってる。」


そういって私の手の甲にキスをした。


突然のことにびっくりして硬直する私に


インクは嬉しそうに笑う。


「ほら、ね?やっぱり君は綺麗だよ。
そして可愛い。」


グイッと自分の方へ引き寄せるインク。


あれ、もしかしてこれ本当にやばいんじゃ。


そう思った瞬間、インクはまた


青い糸に巻かれて、磔状態にされる。


「あれ?はやいね、エラー。」


「……お前、なんでこいつに絡む?」


エラーの後ろに隠れる私を見て


インクはニッコリと微笑む。


ゾクリと背中に冷や汗がつたり


エラーの背中に顔も隠した。


「僕ね、彼女がタイプなんだよね。」


ーーーーー……え?


「「は!?」」

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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時

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