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第38話 ページ40

「美味しいでしょ?」


「ーーーー。」


あれ?固まっちゃった?


これもしかしてエラー的にアウトだった?


直接触れないから大丈夫だと思ったんだけど。


「あー!エラーだけずるい!!
僕もAにあーんされたい!」


ーーーーーーあっ。


食べさせることに意地になってて忘れてた。


わたし、なんて恥ずかしいことを……。


っていうか、インク!私に食べさせたの確信犯か!!


「ねぇ、僕も食べさせて欲しいなぁー?」


「も、もうしない!絶対しない!」


「えー!」


インクを無視して食べたいものを


口へと運び、ほうばる。


忘れよう!今したこと!忘れよう!!


恥ずかしくて死にたくなる!!


「……ふふっ、食べてる姿も可愛いね。」


「……インクはちょっと黙ってて。」


すると、彼は口を塞いだ。あ、これ吐くやつだな。


さすがに私たちに遠慮したのか


少し離れた場所へ移動した。


私はエラーと二人きりになり少し気まずく感じる。


「さ、さっきはごめん。
エラーに触らないように、あげようとしたんだけど、
それ以前の問題だったね。」


「別に……気にしてねぇし。」


そ、そうだよねぇ……。


多少は動揺してくれてるかもなんて思った私アホか。


エラーって私に関心があるんじゃなくて


ソウルに関心があるわけで。


ん?あれ、これもしかして。


「エラー、これチョコケーキじゃない?」


ピクリと頭が揺れた。


気になっているのかチラチラとこちらを見る。


なんだ、可愛いところもあるじゃないか。


思わず笑いたくなったが


拗ねられると困るので我慢した。


「食べる?」


「食う。」


即答だった。好物には敵わないってことかな?


チョコケーキを手にしたエラーは


子供みたいにキラキラと目を輝かせていた。


よかった、さっきから機嫌悪そうだったから。


インクが余計なことをしてるせいか。


私が脳天気に食事をしてるせいか。


後者はないと信じたいな。


だってこれ用意したのインクだし。


捨てるのは勿体ないから食べてるけど。


そういえばインク、味覚ないから味見出来ないよな。


今回のは上手くできたってことか。


「ごめんごめん、もう大丈夫。
で、何してたんだっけ?僕ら。」


「君が作ってくれた料理を食べてる。
改めてありがとね、インク。」


インクは目を丸める。やっぱり忘れちゃった感じか。


「そうだったんだ。あ、このあと用事があるんだ!
じゃ、またね!エラー、A!」

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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時

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