【UNDERTALE】決意と意志と奇跡

第9話 ページ9

またはぐらかして、と


愚痴愚痴こぼす兄弟


見回りがあるのは本当だからな


兄弟はいつもの様に服を着替えて外へと出かける


「兄ちゃんは西の方を監視してね！
サボっちゃダメだからね！！」


「ほーい」


…………さて、今回はどう出るかな？


しかし、驚いたな


どうしてあの夢の記憶だけ残ってるんだ？


ガキの顔は思い出せないが


Aのことはよく覚えてる


やっぱり外の世界のニンゲンと関わり


あのガキがニンゲンを引きずり出したからか？


イレギュラー、か


何が起こるかわかったもんじゃない


今まで以上に慎重に行かないとな


遺跡近くまで辿り着くと


一人のモンスターが倒れていた


……違う、モンスターじゃない、のか？


見た目はニンゲンみたいだが？


恐る恐る近づき、様子を見ると


オイラは思わず後ずさりした


「なん、で……ここにいるんだ
ーーーーーA」


オイラの声に反応したのか


そいつはゆっくりと起き上がり


虚ろな目で辺りを見渡す


その視線がオイラの姿を捉えたのか


彼女は驚いた顔をしたあと怯えだした


「だ、だれ？お、おねがい、殺さないで……
わたし、なにもしてない……なんでも
なんでもするからわたしに襲いかからないで」


初めて会った時はソウルなんて見えなかったのに


今はくっきりと見える


白くて僅かに光っている、ひび割れたソウルが


生きてるのが不思議なくらい彼女はボロボロだった


モンスターに襲われたのか？


「大丈夫だ。オイラはそんなことしないさ」


手を差し伸べるが


彼女は怯えてその手をとろうとはしない


この様子を見る限り、記憶を失ったのか


「オイラはサンズ。見ての通りスケルトンさ」


自己紹介すると彼女も


おずおずと自分の名前を名乗ろうとする


「えっと……私、私はキャラ」


「キャラ？Aじゃ、ないのか？」


「A？えっと、よくわからないけど
思い浮かんだのがキャラだったから
間違いないと、思う」


キャラ？誰だ、そいつ


けど、記憶喪失のこいつに色々と吹き込んでも


混乱させちまうだけだしな


「あー、悪い。今のはなしだ。よろしくなキャラ。
ほら挨拶がわりの握手だ」


彼女は恐る恐るオイラの手を握る


ブゥーーーー！！！


彼女は驚いたようにオイラから手を離す


「驚いたか？お約束のギャグだよ」


手にブーブクッションがついているのを見せると


一瞬ポカーンとした顔をして吹き出した


「ぷっ……あははっ！！！」

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