第13話 ページ13
「ゆ、め？……
ああ、夢だったの。よかった……」
キャラは自分の体を抱きしめるように
膝を抱え込んで顔を埋めた
その姿は泣いているようにも見えて
居た堪れない空気が嫌になって彼女の背中を撫でた
すると、くすぐったかったのか
ビクッと全身が反応する
「あ、悪い」
「う、ううん。びっくりしただけ
励まそうとしてくれたの？」
少しだけ顔が赤いが
オーバーリアクションした自分を
恥じているのだろうか
「ハハッ、まあな。もう大丈夫みたいだが」
「それでも嬉しいよ」
照れたように笑う
素直な言葉にオイラも少し照れてしまった
それを誤魔化すようにソファから立ち上がる
「さてと、オイラは仕事に戻るかな」
「え、行っちゃうの？」
不安そうにこちらを見つめるキャラ
この世界に来てから頼る人
モンスターもいなくて心細かったのだろう
大分、落ち着いたから大丈夫だと思ったんだが
「あー、なら来るか？
仕事と言っても見回りだからな」
「……うん」
何かを言おうとして飲み込んだかのような返事
勘違いの可能性もあることから
これ以上口出しするのは気が引けた
＊
さて、そろそろニンゲンが来る頃か？
遺跡の前あたりについた。見えにくい場所にいるが
問題はキャラがいる事なんだよな
「サンズ、この遺跡は何？」
「ん？さあな。だが、よくニンゲンが落ちて
ここから出てくるらしいぜ」
「じゃあ、私もこの遺跡から来たのかな？」
じっと遺跡を見つめるキャラ
けれど、何やらハッキリしないようで
やっぱり、違うかな、と独り言を呟いた
「どうしてそう思うんだ？」
「私が目覚めた時は森の中にいたから
遺跡から森までそんなに距離はないでしょ？
そんな短時間で記憶を失うかなって」
ーーーここら辺はモンスターも少ないしな
記憶を失うほどショックな出来事といったら
脳裏に浮かぶのはナイフに刺されたAの姿
首を横に振り、その考えを消す
確かにあいつはあそこで死んだ
この世界の人物でないのなら
そのまま消滅してしまったはずだ
「サンズ、誰か出てきたよ」
視線をあげるとそこにはニンゲンの姿があった
キャラは仲間を見つけて嬉しそうにこちらを見る
さて、本当にそうかな？
もしかしたら中身は
とんでもない化け物かもしれないぜ？
「じゃあ、挨拶でもしに行くか」
それがおばさんとの約束だから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あゆさ(プロフ) - アルドールさん» わあ！とても嬉しいです！結構な量があるので一気読みしてくださって本当に嬉しいです！よかったら完結まで見届けてください！！ (2021年4月5日 21時) (
レス) id: 0c9cd9af7d (このIDを非表示/違反報告)
アルドール(プロフ) - 初めまして!Undertale経由でこの作品を見ました!とても凝っていて、一気に読んでしまうぐらい凄く楽しく読ませてもらいました!!これからも更新頑張ってください!!(*´ `*) (2021年4月5日 20時) (レス) id: f19fae88e7 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます！毎回楽しみにして頂いてるようで嬉しいです！ (2020年10月19日 23時) (レス) id: 7dea6cedb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 今日も面白かったです！(^_^)/フリキャが一緒にいるのがめっちゃ好き…キャラはちょっと違うけど、この設定もほんとに好きです！(*^^) (2020年10月19日 22時) (レス) id: 74d9f2f81e (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆうさん» マイブームになってしまいまして(´>∀<｀)ゝ))ｴﾍﾍ他の作品がかけてない状態ですね()書き溜めてるので毎日更新出来てます (2020年10月13日 22時) (レス) id: 7dea6cedb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あゆさ | 作成日時：2020年9月18日 21時
