第百二十二話 ページ22
目を覚ます……真っ暗な部屋の中に
月の明かりだけが差し込んでいる
明かりに照らされてキラリと光ったのはナイフで
それを手にしたジキルがこちらを見下ろしている
彼の目からは止めどなく涙が溢れている
『アサシン』
私の声を聞いて焦ったのか
彼はそのまま私を突き刺そうとした
けれどもう片方の手でそれを止める
「やめろっ……このっ……
てめぇはそれでいいのか！
守るって言ってたくせによぉ！」
「黙れ……黙れ！黙れ！」
私はナイフを持ってる手を握る
そして彼の瞳を見た
彼の左目は翠色で、右目は赫色だった
今"彼"は自分自身と戦っている
『……いいよ。ジキル、ハイド』
"彼"は目を見開いたまま固まる
どうしていいのかわからない
そんな表情をしていた
「なんで……てめぇは、君は……
そんなこと言うんだ？」
『……私に向けられた感情だから
それを受け止めないのは失礼でしょ？
私は大丈夫だから……でも君は
本当はどうしたいの？』
"彼"は目を伏せたあと小さな声で呟いた
「僕は、君を守りたい……けど
俺は！お前を俺のモノにしたい、殺したい！」
……矛盾している
でもそれこそが人間だ
ジキルもハイドもお互いのことを認めない
理解し合おうとしない
何かあればそれはお互いのせい
でもそれはおかしいんだよ
だって君たちは元々"君"なんだから
「可笑しいんだ、暗がりがこんなにも恋しいんだ
光は嫌だ、太陽は嫌だ！
俺は暗がりだけで生きられる！！」
ナイフを床に落とし頭を抱え込むジキル
どうしたらいいかわからない
光であること、誠実でいることは
ジキルには眩しすぎて暗がりを求める
私は彼の気持ちを思うと胸が締め付けられた
いてもたってもいられず彼を抱き締めた
『ジキル、逃げないで。全てハイドのせいに
しちゃダメ。それじゃあ自分を見失ってしまう』
「僕を……見失う？」
『ハイド、光を恐れないで
それは貴方を傷付けたりなんかしない
光も闇も表裏一体なんだよ？
怖いなら、私が手を引いてあげるから』
「…………光は、俺を……傷付けない？」
彼から力が抜けるのを感じる
安心させるかのように
私はさらに強く抱き締めた
『大丈夫、私はここにいるよ。君はどうしたい？
私を殺したい？守りたい？』
ーーー本当は殺される訳にはいかない
この戦争を止めるためには
黒幕を倒さなくちゃ永遠に繰り返される
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ゆき - いや当然ですよ！…スィ−ン一！ (2019年5月10日 19時) (
レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» そういって頂き、感激です！ (2019年5月8日 6時) (レス) id: 7988c73045 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - スマナイ、カミサクヒンダ、スマナイ！ (2019年5月7日 17時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» うーなんとも言えないです……ネタバレになっちゃうので、すまないw (2019年5月4日 18時) (レス) id: f47f4a70d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - エ、エリちゃんが… (2019年5月4日 8時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年4月8日 12時
