第百二十話 ページ20
ナギくんは先に部屋に
戻って休んでいる
私は食器を片付けながら考える
やっぱり顔見知りの人と戦うのはちょっと気が参る
「マスターちゃんよ」
『うん？どうしたの？』
ハイドは"あー"と少し躊躇ったあと
驚きの言葉を口にする
"ボンクラには気をつけろ"
ーーー今まではジキルから
ハイドに気をつけろ、そう言われ続けていた
でも今度はハイドからの忠告
『どういうこと？』
「あいつは元々自制がないから」
いや、それ貴方の方じゃない？
と言い返したいが言葉を飲み込む
「ほら？良い奴ほどさ罪悪感に飲まれて
段々それが心地よくなってくじゃん？」
ーーーいや、わからないが
そもそも、そういう経験がないからな
「ま、あいつがそういう状態ってことだ
良い奴の振りをして殺されるなよ？
俺様ちゃんがお前を…………いや、なんでもねぇ
とにかく、気をつけろよ」
そういって部屋に戻って行った
……ジキルが私を殺す？
あまり想像出来ないが
あのハイドから忠告されるのも珍しいし
一応頭の隅に入れておこう
＊
その日、私はまた夢を見る
"……貴方は眩しすぎるのよ、A"
"本当、参っちゃうな"
"聖杯？お前らなんかに渡すわけないだろ？"
いつもなら曖昧に終わるはずなのに
それは何度も再生される
私は何度も死ぬ、けれどそれは同じじゃない
ランサーに殺された
彼女は笑いながら泣く
アーチャーに殺された
残念そうにこちらを見下ろす
セイバーに殺された
私がジキルを庇ったから
ジキルに殺された
自分のものにしたいから
同じような景色なのに結末は毎回違う
"あはははっ！やっぱり最高だ！
結末が違うとーーやめられないよな！？"
シンは楽しそうに、狂ったように笑う
そこで目が覚めた
いや、覚めたというのは正確ではない
私はまだ夢の中にいるのだから
白い民族衣装を見に纏った彼女は
生気のない目でこちらを見る
全てに絶望し切った顔だ
「最初は希望でした
彼に会える手掛かりを得たと」
しかし、と彼女は嘆く
それは間違いだったと
「最悪なものでした
何度も何度も繰り返される殺戮そのものです
時に自 殺し、サーヴァントに殺され
マスターに殺され、貴方のサーヴァントに
さえも殺されてしまう」
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ゆき - いや当然ですよ！…スィ−ン一！ (2019年5月10日 19時) (
レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» そういって頂き、感激です！ (2019年5月8日 6時) (レス) id: 7988c73045 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - スマナイ、カミサクヒンダ、スマナイ！ (2019年5月7日 17時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» うーなんとも言えないです……ネタバレになっちゃうので、すまないw (2019年5月4日 18時) (レス) id: f47f4a70d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - エ、エリちゃんが… (2019年5月4日 8時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年4月8日 12時
