第八十七話 ページ37
ーーーそういえば昨日は
帰り姿を見なかったが
「ああ、昨日か？ちょっとした
頼まれ事があって、先に帰ったんだ」
『ああ、そうなんだ？買い物か何か？』
「…………まあそんなところだ」
？ どこか言いずらそう？
まあ家の事情だし
これ以上詮索するのはやめておこう
＊
学校の帰り
柴崎くんに一緒に帰らないかと
誘われたけど用事があるからと断った
その時の彼の表情がちょっと忘れられない
最近、柴崎くん苦しそうな顔をするんだよね
いつも助けられてばかりだから
何かしてあげたらいいんだけど
そんなことを考えながら目的地へ
『着いた』
そこは昨日訪れた病院だった
バーサーカーがいたら大変だけど
まあ、その時はその時だ
なんとか頑張って逃げる
ーーー令呪で彼を呼ぶのが少し怖いから
家に帰るのも怖いんだけどね
さてと、どうやってあの子に会うか
受付に言ったところで怪しまれるし
何号室かわからないし
部外者で、無関係な私を
通してくれるとは思えない
"どうしたものか"と悩んでいると
後ろから声をかけられる
「お姉さん、ここで何してるんですか？」
振り返るとそこには
バーサーカーのマスターがいた
ベリーショートの黒髪
目は少しだけツリ目で大人っぽいが
全体的に見ればどこか幼さを感じさせる
…………手足が細い
「この病院に用事ですか？」
『あ、えっと……』
どうしよう、なんて答えよう？
困った……まさかここで会えるとは
思わなかったから
「……ねえ、お姉さん。暇なら話し
相手になってくれません？」
突然の切り返しに驚いたが
これは色々聞けるチャンスなのでは
そう思って"いいよ"と返事を返した
ベンチに座ってまずは自己紹介から
「僕は中学三年の早坂尚人っていいます」
『私は高校二年の橘A、よろしくね』
笑って挨拶をすると
尚人くんは興味深そうにこちらを見る
"どうしたの？"と聞くと
「Aさんの笑顔って温かいですね」
ーーーえ？
私にそんな力はないけど
すると尚人くんはおかしそうに笑う
「Aさんは自分の為じゃなくて
相手の為に笑うことが多いじゃないですか？」
ーーーーいや、考えたこともないが
みな私の笑顔に違和感を感じるって
それ以外は……ああ、いやあの人は
私の笑顔を太陽みたいだと言ってくれた
言った……というより
名前で示してくれた？というか
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
