第八十二話 ページ32
"おい"と不機嫌そうに
問いかけてくる
せめて首を動かそうと思った時
クラっときて木から落ちそうになる
その刹那、目を見張ったハイドは
すぐに私の腕を掴み引き上げた
「ばっ！お前死ぬ気か！？
ん？……お前顔色悪ぃな」
ーーーえ？
やっぱり具合が悪いのかな？
でもさっきまで何ともなかったのに
「……ああ、そういうことか」
ハイドは舌打ちをしたあと
私を優しく抱きかかえてくれた
ーーー嘘、ハイドが紳士だ！
「チッ……具合悪ぃくせに"意外みたいな"
顔見せんじゃねぇ！」
それとこれとは関係ないと思うけど
ああ、でも……さっきよりかは
気が楽になった気がする
「……ひとまず撤退だな
面倒くせぇな、本当に」
＊
家に着くとハイドは
そっとベットの上に寝かせてくれた
ーーーえ？本当に優しいんだけど
「やめろ、その顔……腹立つだろ」
……え？私いまどんな顔してる？
不思議に思い、顔を触る
ーーーーああ、もしかして
私、ニヤけちゃってる？
『えへへ……ごめん……』
「っ……なんだ、いつにも増して素直だな」
ーー？私はいつだって素直だと思うが
だって本当に思ったことしか言わないし
「んじゃ、仕方ねぇから魔力供給すっか」
ーーーー…………ん？
寝ている私に彼の影が覆い被さる
上半身だけ起こし後ずさりする
『ちょっ！な、なにして……っ』
「何って……魔力供給だろ。あ、お前
もしかしてわかってねぇのか」
わ、わかってないって何が！？
魔力供給なら資料で読んだよ？
でも今することなの！？
『ハッ……もしかしてバーサーカー
魔力足りないの？』
"アホか"とデコピンを喰らう
いくら力を抑えているとはいえ
ものすごく痛いのですが……
『な、なら……なんで魔力、供給なんて
言い出したの？』
「あ？テメェが魔力足りないから
分けてやろうと思ったんだよ」
ーーーーーえ？
私の、魔力が……足りない？
どうして？
不思議そうな顔をしていたせいか
ハイドは深くため息をついた
「あのな、バーサーカーを維持するのに
どれだけ魔力を消費すると思ってんだ
狂化されてんだぞ？理性ないんだぞ？
見境なくマスターから魔力を奪うだろうが」
それはわかったが
ハイドが一日過ごしてても
私なんともなかったし
「そりゃな、だって戦闘してねぇし」
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
