第七十四話 ページ24
「あははっ
やっぱ見られてたんだ？」
"ちょっと恥ずかしいな"と照れたように笑った
彼の手元に目がいく
『それおもちゃですよね？よく正確に撃てますね』
触ったこともないので
ちょっとよくわからないが
焦点を合わせるの大変そう
「こんなの簡単だよ。やってみるかい？」
彼は私から荷物を奪うと
近くのベンチに置き、私に銃を渡す
これ、軽いな……やっぱおもちゃか
彼が持ってるとちょっと本物っぽく
見えたんだけど、目の錯覚か
『でも私、こういう遊びやったことなくて』
彼は笑って簡単だよ、と私の背に回る
そして腕を添えて構え方を教えてくれた
ほう……成る程
彼が先程立てた空き缶に向かって引き金を引いた
当たりはしたものの倒れなかった
「あー惜しかったね
でも初めてにしては腕がいい」
彼はベンチに座る
トントンと隣の席を叩く
座れということだろうか？
『失礼します』
彼は笑って"どうぞ"という
隣に座ると"ん"と缶ジュースをくれた
『ありがとうございます』
「いいよ。それより君、学生なのに
こんな時間に歩いていいの？
あ、もしてかしてサボり？」
"でもそんな子には見えないな"
彼の方が私より年下に見えるのだが
私は事情を説明した
「ふーん……大変だね。先生も」
そういって缶ジュースを飲む
『あの……』
"あ、そういえば自己紹介まだだったね"と笑う
「僕はアウトローさ」
ーーーーーえ？
呆気に取られた顔をしたせいか
彼は冗談だと笑った
私は彼の言動に驚いたのではない
《夢と同じだったから》
昨日もそうだった
紫崎くんのことや、高橋くんのこと
高橋くんのはちょっと違ったけど似てた
「僕はユウ。よろしく」
『あ……Aです。よろしくお願いします』
するとまた彼は笑って"固い、固い"と言った
気を使わなくていいということと
砕けた話し方でいいとのことだった
……まあ、いいか、彼の方が年下っぽいし
『そういえば、どうして私なんかに声を
かけてくれたの？』
「うん？君が銃に興味を持ってくれたからかな？」
ーーーえ？見てただけなのに？
た、確かにすごいなとは思ったけど
「聞いてくれよ。僕の友達はさ
銃より弓だって言うんだ」
その友達は弓道でも習ってるのだろうか？
というか何故その二択で争ってるか
それだった剣か槍かの方がわかりやすい
「そういえば君、センス良かったけど
もしかして何かやってた？」
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
