第七十一話 ページ21
『生きたいと思ってるのは本当だよ
ただ、なんて言ったらいいんだろ
そうだな……私には生きる目標が
見つかってないからかもしれない』
そういうとハイドは私から離れナイフをしまった
何処か不機嫌そうだが
「生きる目標だ？そんなの要らねぇだろ
生きる理由なんていらねーんだよ」
そうは言うがそれを見失っては生きる意味なんて
「だから、生きる事に意味をつけてんのが
わかんねえ」
ーーーそれは、私だってわからない
だけど人にとってそれは保険なのだと思う
誰かに生きていて欲しいと願って欲しいから
誰かに傍に居ることを許して欲しいから
「馬鹿じゃねぇの？自分自身が生きてれば
それでいいだろ？他人に振り回される人生なんて
真っ平だね」
今日はヤケに突っかかってくるな
そんなに私の生き方が、考え方が
気に入らないのだろうか
「よし、俺様ちゃんは決めたぞ
お前に本気で"生きたい！"って言わせてやる！
そして、殺して！絶望に落としてやるよ！」
ーーーー何を言ってるのか
ちょっと、いやさっぱり分からないのだが
「それじゃあ俺様ちゃんは戻るからな」
『あ、ちょっと待って』
私は気になったことを質問した
霊薬を飲んでいないのに
どうしてジキルからハイドになったのか？
「これぐらいの事なら稀にあるぞ
理由をつけるとすりゃ、薬を長時間使ったってのと
この街の淀んだ空気だな」
長時間使ったのは納得出来るがこの街の空気とは？
ハイドはこれ以上説明するのが面倒臭くなったのか
"あとはあいつに聞けー"と適当に返事をして
ジキルと変わったが何やら顔色が悪い
「す、すまない！マスター！」
いきなり謝られても
あーもしかしてナイフを向けたことだろうか？
コクコクと首を振るジキル
「また僕はーー」
『気にしないで。ハイドとも距離を縮めたいって
考えてるし、それぐらいどうって事ないよ』
あれは多分ハイドなりの挨拶だ
まあ、"殺したい"って思われたら
容赦なく殺られるみたいだけど
今のところそんな様子はないし
『それより、空気で入れ変わるって
どういうこと？』
「ああ、それは普段なら僕がこの体をコントロール
出来るんだけど、ここの空気がハイドの方が
少し合ってるみたいで」
……つまり陰湿な空気が流れてると？
"誰が陰湿だ！"と突然ハイドになる
成る程？なんとなくわかるような
わからないような
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
