第七十話 ページ20
キャスターの誘導により
結界の中へ入ってしまい
酷く追い詰められてしまったので
霊薬を飲んだらしい
そっちの方が鼻も効き
マスターのいる方向がわかるから
ハイドって意外と野性的なのね
いや、意外じゃないか
「
ちょっとした後にセイバーがやってきて」
成る程そこでセイバーが代わりに
キャスターの相手したわけか
ハイドはちょっとそれが気に食わなかったらしい
「あいつは殺すことが趣味な、最低な奴だからね」
…………そうなのだろうか？
それはそれとして、ジキルが心の中で叱責し
ハイドは面倒臭そうに従った
さすがにマスターがいなくなるのは
困るとでも思ったのだろう
「まあ、あとは知っての通りさ」
……申し訳なさそうに話すジキル
そして違和感を覚える私
彼はまだ何か隠している気がする
いや、違うかもしれない
隠してるんじゃなくて、話そうか迷ってる？
『……アサシンは私に
何か聞きたいことは無いの？』
そわそわしていた体が
ピクリと動いてすぐに止まった
少しだけ躊躇したようだが
ゆっくりと口を開けて語り始めた
「……セイバーのマスターに言われたんだ
君は死にたがりの人間なんじゃないかって」
ーーーーーそれは、どう答えたものか
自分自身はそんなつもり全くないのだけど
「……君は生きたいと思わないのかい？」
『ーーー生きていたいと思ってる』
今はまだね、だってやることがあるし
彼女の願いを叶えるまで死ねない
「……今の君の表情を見てると
すごく不安になってくる」
『大丈夫だよ』
私はそういって笑った
ジキルはまだ何か言いたげだったので
"さてと"と声を被せる
『明日も学校があるからもう寝るね
ココア、ありがとう』
部屋へ向かおうとした瞬間
私の体を片手で抱き寄せ、首元にナイフを向ける
『アサシン？……バーサーカーね？』
声をかけても返事をしない
一体どうしたというのだろうか？
また私を試しているのだろうか？
まず、何故彼が？
霊薬を飲まないと出てこれないのでは？
「マスターちゃんさ、本当に生きる気あんの？
俺様は生きたいと嘆く奴らを無残に殺した
愉快に殺した。心がスっとして最高なんだ」
"なのに、あんたからはそれを感じ取れねぇ"
"殺したいとは思えねぇ"
ーーーーハイドにまで見抜かれる
これは逃げる余地なんてなさそうだ
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
