第五十三話 ページ3
ハイドside
家に帰るといつもと違う格好をした
あいつがいた
いつもと雰囲気が違うため少しだけ戸惑う
"あっ"と声を漏らして
警戒もなくホイホイと近付いてくる
こいつ、俺様ちゃんが殺人鬼だって
忘れてんだろうな、脳天気な奴だ
『おかえり、バーサーカーも出掛けてたんだね？
人を殺したりなんかしてないよね？』
今は
弱っちい人間を殺してもつまらない
俺は何も言ってないのに
ニコッと笑い、今日の夕飯の話をする
どうやらもう準備は出来ているらしい
サーヴァントに食事なんて必要ないのにな
無駄なことを、そう思っている
『？ 食べないの？』
「サーヴァントに食事は必要ねぇんだよ」
そういうと呆れた顔をする
"貴方もアサシンと同じこと言うのね"
なんだ、こいつ……馴れ馴れしいな
仕方なくてフォークを手に取り
何かの肉を指して口に運んだ
口の中でジュワっと広がる
「……なんだこれ？」
『ハンバーグ』
こんなの生まれて初めて食べた
…………気がする
だいたい俺は表側に出ないため
こういう経験はなかなかない
だからだろうか……"うまい"なんて
思ってしまった
『口に合わなかった？嫌なら
今度別なの作るけど』
口に合わないわけではないが
ちょっとからかってみたくなった
「オムライス、食べてみてぇな」
わざとらしくニヤリと笑う
すると、Aは息を飲んだような表情を見せる
『もしかしてーーー』
"見てたの？"
その質問に俺は答えない
"さあな"と誤魔化すだけ
『……夕食、冷めちゃうし
さっさと食べようか』
そういって笑った
ーーーなんでだろうな
こいつの笑顔、殺したくなるほど
幸せそうな笑顔に見えるのに
どこか、影があるような
そんな曖昧な笑みを浮かべる
それが余計にこいつが儚く思わせる
たった一つの選択肢で死んでしまう
そう思えてならない
別に心配してるわけじゃない
ただこいつがいないと聖杯にたどり着けない
マスターからの魔力がなければ
俺達は存在することすら叶わないのだから
「……お前は本当に俺たちなんかと
組んでよかったのか？」
ーーー自分の発言に驚いた
何を言っているのだろう、俺は
馬鹿みたいだ、アホみたいだ
ついに気が狂ったか？
いや元々狂っているが
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
