第四十九話 ページ49
エリカは一瞬
驚いたような顔をしたあと
"それは…"と口籠ってしまう
言い難いことなのだろうか
「貴方がそんなみすぼらしい格好してるからよ!」
ーーーーこれでもお洒落してきたんだけどな
ちょっとショックを受けながらも
彼女は私なんかより可愛らしい服を着ているし
仕方ないかと切り替えた
「………ほら、着いたわよ」
今度は普通のお店だ
よかった……もうロリータは一生着ないだろう
というか、絶対似合わないから
お店の中に入るとエリカは
目に付いたものを手当り次第見ていく
なんか何もしてないの申し訳ないな
ふと、ある物が目に付いた
「子猫、次はこれね」
『え、あ、うん』
先程よりも落ち着いた服だ
ふわふわとした白いトップスと
紺色のボリューム感のあるスカート
靴は黒色のハイヒールみたいなやつ
試着室に入り着てみる
今回のはかなり私好みだ
やっぱり派手なものより
シンプルの物の方が落ち着く
カーテンを開けてエリカに見せてみる
「あら、思ったよりいいじゃない」
そういって笑った
今日はずっと真剣な顔をしていたり
張り詰めているところがあると思っていたけど
よかった、いつもの調子に戻ってきたみたい
「じゃあ、あとはアクセね」
ーーーえ
さすがに私は目を丸くした
これ以上迷惑をかけたくないからだ
「何言ってるのよ、折角可愛い
格好したんだから小物にも気を遣いなさい」
ちょっとだけ胸に刺さった
確かにそういうことあまりしないけど
エリカは近くにあった小物売場から
私に似合いそうなものを選んで持ってくる
それはネックレスだった
木星の形をしているものがついてて
その中の模様は星空だった
『…………綺麗』
「あら、そういうのが好みなの?」
好み…なのだろうか
ただ素直に綺麗だと思っただけで他意はない
とりあえず付けてみる
「うん、うん!やっぱり私天才ね!」
そのあと、会計はエリカがやってくれた
"いいよ"と断ったのだけど聞こうとしなかった
服はそのまま着ていくことになった
コートは元々着ていたもので覆う
ほかの服はお店の人から袋をもらい
その中に入れて持つことになった
『ありがとう、エリカ』
「いいのよ、これはお礼なんだから」
ーーーーお礼?
ハッとしたような顔をするエリカ
彼女は慌てたように今の発言を否定する
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まな★★(プロフ) - ゆきちゃんだぞさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!! (2019年4月1日 20時) (レス) id: 1e0fa89d62 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃんだぞ - とっても面白いです!がんばってください!!! (2019年4月1日 13時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まな★★ | 作成日時:2018年12月29日 13時