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第三十四話 ページ34

サンドウィッチと紅茶を


ジキルの目の前に差し出す


だが彼はそれらを口にしない


"どうしたの?"と聞くと


気になることがあるらしい


「君は紅茶を飲まないのかい?」


『私、紅茶飲めないの。苦手でさ』


"普通逆じゃない?"とよく言われる


だが、珈琲も悪くないと思う


紅茶が飲めない民としては有難い


どちらも苦手だと言うなら


牛乳とか、ミルクとか、お茶とか


人それぞれだし、私は文句なんて言わない


勧めもしない


「へー…」


『なんで急に?』


「いや、毎朝そうだから気になって」


というかよく見てるなジキル


"そりゃ毎回同じだとね"


平凡な会話をしながら朝食をとる


令呪を隠して学校へ向かう


『それじゃあ行ってくるね』


「うん、いってらっしゃい」


外に出て少し進んだところで振り返る


ジキルは笑いながら私に手を振ってくれた


ーーーなんだかとても引っかかる


朝と言い、彼は私に


気まずさを感じてるのだろうか?


不思議に思いながらも


学校に行かなくてはならないのでその場を後にした





学校に着き、教室に行くと女子達が騒いでいた


月曜日の朝だと言うのに


これほど盛り上がることなどあるだろうか?


「ねえ!聞いた!?転校生、男子なんだって!」


「知ってる!イケメンなんだってよ!」


…………あーそういえば


この前の昼休みにそんなことで騒いでたな


"イケメン"で騒げるって世の中、平和である


いやまあ、私も嫌いってわけじゃないけど


そんなことで一々騒げるのが


少し羨ましいかな、なんて


「おはよう、橘さん」


席に着いたところで声をかけてきたのは高橋翔くん


孤立を自ら選んでいる私に


話しかけるのは彼くらいなものだ


今の世の中、自分から話しかけなければ


友達はできないなんて言われる


確かに大切なことだけど


人によっては自分を偽らなきゃいけないから


正直面倒臭いと思う


大切な人以外、どう思われたって構わない


だってその人の方が私をわかってくれる


そう思うから


でもそれはただの逃げで


私を分かろうとしてくれる人を


自ら否定しているのだと思う


こっちにその気がなくても


『おはようございます』


私が敬語で返すと


彼は楽しそうに笑う

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まな★★(プロフ) - ゆきちゃんだぞさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!! (2019年4月1日 20時) (レス) id: 1e0fa89d62 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃんだぞ - とっても面白いです!がんばってください!!! (2019年4月1日 13時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まな★★ | 作成日時:2018年12月29日 13時

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