【殺戮の天使】僕は殺人鬼ー化け物ーです (ページ40)

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本当はーーーページ40

突然大声を上げて

怒りを露わにする

あいつの偽物の片目が真っ白になる

『ハダ！"僕"の意識を殺せ！邪魔だ！！』

あいつ！まさかAを殺す気か！？

そんなことさせてたまるかよ！！

俺は鎌で攻撃を仕掛ける

偽物は軽々と避けて必死にハダに呼びかける

『もう生かすのはやめだ！聞こえてるんでしょ！！』

今すぐそのうるさい口を黙らせてやりたい

だけど、こいつの身体は……間違いなく

Aのモノで……くそっ！！

どうすればいいんだよ！

……は？なんで俺……あいつを生かそうとしてんだ

わけ、わかんねぇ……

「ザック、待って……Aの様子が……」

レイの言葉で俺は再びAを見る

彼女は懐に隠していたナイフを取り出し

自分のお腹に向けている

『ちょ、っと……ハダ、何の冗談？』

ナイフを持つ手が震えている

必死に何かに抗うかのように

『「お前の負けだ、ヘーラー。これは我の
意思ではなく、Aの意思だ。」』

『ふざ、けないでよ……ふざけないでよ！！！
偽物の分際で！オリジナルの私に
逆らおうだなんて！！！』

＊
貴方side

どうして、どうして、どうして

私はただ愛したいだけなのに、愛したいだけなのに！

どうして偽物の分際で逆らうのよ！

今までそんな事しなかったくせに！

私を意識すら出来なかったくせに！！

私は必死にナイフを押さえながら

もう片方の手でザックに手を伸ばす

お願い、お願い、お願い

私を見捨てないで、私を裏切らないで

私を見つけて、私を見つめて

私だけ、私だけに愛させてよ！！！！

『ザック……愛してるわ』

ほら、私の意識の方が何倍も強い……

口から鉄の味が溢れかえる

ドクドクとお腹がなっている

自分のお腹を見ると、ナイフが突き刺さっていた

どうして、どうして……特異点、なんで？

【君の負けだ。愛よりも恋の方が
強かったってことだね】

いや、だ……嫌だ嫌だ嫌だ！！！

だって、だってまだ私！！！！

ふわりと明るい光が私を包み込む

特異点が私を抱きしめていた

【本当は愛して欲しかった。沢山愛してあげれば
いつかは返してくれるって信じていたんだよね
ごめんね……こんなになるまで放っておいて
一緒に行こう。ここに君の求めるものは、もう無い】

ーーーは、はは……愛されたかったんだ

父さんにも母さんにも私だけ、見て欲しかった

そうだね、もう居場所がないのなら

私も消えてしまいましょうか