【殺戮の天使】僕は殺人鬼ー化け物ーです (ページ36)

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運命の出会いページ36

昔、太陽に晒された私は

暑くて暑くて溶けて死んでしまいそうだった

けれどなんとか生き延びた

丁度、ハダが私の体に馴染み始めていたから

ハダは私の両親を殺した

私の体を使って

この時に私と僕に別れることになる

彼らの死は本当に、本当に悲しかったけれど

両親のおかげで私は【愛すること】を知ったのだ

だから、家から逃げた私は

赤い傘を持って愛する人を探す

『ねえ、お兄さん……
貴方を愛してもいいですか？』

少女の微笑みに男性は顔を赤くするが

「申し訳ないけど……僕には彼女がいるんだ」

ーーーーそう、残念だ

貴方は私の愛を受け止めてはくれないのね

そんな浮気者には特別な愛をあげる

路地裏へと追い詰めると彼は

怯えた顔でこちらを見上げる

「頼む！命だけは！！」

『大丈夫……貴方は浮気者だけど
私が特別な愛でお別れを告げるから
だからお兄さんは幸せ者なんだよ？』

「やめ、やめてくれっ！！！」

断末魔と共に血が周りに飛び散った

少女はしゃがみこんで男の頬を撫でた

『……これで貴方を愛してあげられた
ああ！愛おしくて堪らない！
私の愛を受け止めてくれてありがとう』

これは昔の記憶

初めて人を愛した記憶

最高だった

私の愛を、私の想いを

愛おしい声で、可愛らしい声で

泣いて、喚いて、狂って受け止めてくれる

ええ、ええ！愛おしくて堪らない！

私はそれを何度も繰り返した

けれど段々、僕の意識も混在するようになる

「また、僕は…………まあこれも仕事だから」

僕の認識では自分は殺し屋だと

報酬は殺した人の私物

正直に言って私の邪魔をしているようにしか

感じなかったけれど

私の愛するという目的は果たされていたので

気にしないようにしていた

そんなある日、僕という意識の時に

グレイが現れた

彼に誘われてきたのがこのビル

罪人を殺すようにと命じられた

……ええ、今思うだけでも腹立たしい

僕はハダを解放するために

血を求めてこのビルに来た

私はそんなことどうでもよかった

私は愛したい人を愛せればそれで

けれど、このビルに訪れる者は

私の愛したい人とは程遠かった

現状に呆れた私は

表に出ることをやめた

このビルにいる間は

僕に任せることにしたのだ

月日は流れ、私も僕も

このビルに飽きていた頃

僕はザックと出会ったのだ