【殺戮の天使】僕は殺人鬼ー化け物ーです (ページ34)

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二重人格ページ34

貴方side

昔の話だ

いや、今も変わりはしないが

私は/僕は太陽が大好き/大嫌い

そしていつの頃からか私/僕の身体の中には

人格が二つあったのだ

いつ……を正確に言えば

両親を殺した時だろうか

どちらかが本物で、どちらかが偽物

それはーーーー勿論

✖✖✖だ

もう一人の自分は知らないのだ

【自身の精神を保つ為に生まれただけの存在とは】

それを知っているのは本物だけ

偽物は自分を本物だと思っているみたいだが

もう一人の自分を認識できていないのだから

幻とでも思っているのだろうか？

ハダはそれに気付きながらも

興味はなかったようで

この身体から抜け出せればいい

そう思っているみたいだ

私/僕だって叶うのならあいつを追っ払いたい

あいつは邪魔だ/人間になりたい

理由は違えど目的は一致している

そこが私と僕の特徴だ

そう、だから……彼が好きなのも一緒なんだよ？

それがどんな言葉が当てまるかは違うだろうけど

でも気持ちは一緒……彼が好きで大切

暫くじっとしてはいたが

退屈になってきたので

ザックとは鉢合わせしないように

彼女の家のフロアを歩き回る

ーーーーーん？この気配

「……A？……いや、違うな」

『いえ、いいえ。違わない
私はA･ブラッディよ、エイブラハム･グレイ』

彼は怪訝そうな表情を浮かべる

ーーああ、たまらない、たまらない

その表情、最高にいい……っ！ゾクゾクしちゃう！

と、いけない、いけない……

私は今、それどころじゃないんだから

「なぜ、お前が出てきている？」

『何故？ダニエル･ディケンズにでも聞けば？』

彼の名前を聞いた瞬間

さらに眉間に皺を寄せた

……何やら目をつけられてるみたいね、ダニエルは

グレイが手を出さないのは観察対象だから？

ま、どっちだっていいか

『それにしても久しぶりだなー貴方と話すのは
なんなら、殺してあげてもいいけど？』

「……それは遠慮願いたいな、"ヘーラー"」

『あれ？あれれ？通り名で呼んじゃうの？そこ？
さっきみたいに、名前で呼んでくれて構わないよ』

「……お前はAじゃない」

『ーーー失礼しちゃうなー。ま、私も
名前よりかは通り名……
別名の方が気に入ってるけどさ』

ヘーラーとは女神のことだ

自分から女神を名乗る気は無いが

愛に狂う姿からそう呼ばれるようになった

だからそう名乗ってるだけ