【殺戮の天使】僕は殺人鬼ー化け物ーです (ページ26)

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番外編「もしも学園だったら？13」ページ26

ザックの顔が嫌そう

そりゃそうか…レイの時も戸惑ってたしね

自分から殺されに行くやつなんて

普通はいないし

僕は涙を拭い、今までの事を

なかったように話そうとする

が、ザックの発言でそれは出来なかった

「お前を…殺せるわけねぇだろ」

その言葉に僕は耳を疑った

いつだって単純明快で

わからなくなれば人を殺してしまうザックが？

"殺せない"そう口にしたのか？

「なんでか…わかんねぇけど
俺はお前に死んで欲しくねぇ」

ーーー死んで欲しくない？

止まったはずの涙が溢れ替えり

次々と頬を伝っていく

「おい…泣くなよ……俺はお前と
どう向き合っていいかわからねぇ
他の奴らとは違う感情に振り回されてばっかだ
だから……こういう時はどうすりゃいい？」

何時になく困惑な表情を見せるザック

そんなザックに僕は抱き着いた

「お、おい！」

『……ザックは馬鹿だね』

「あ"？」

ほんっと馬鹿

僕がザックが何考えてるかなんて

わかるわけもないじゃん

僕だってこの涙が止まる方法なんて知らない

だけど…ザックの傍にいれば笑える気がするから

ーーーザックがいつか僕に対する感情を

理解する日が来たのなら

僕達は一体どうなるのかな？

離れてしまうのか？それとも

今のまま変わらないのか

はたまた別の関係を持つのか

それは未来の話

ザックがその気持ちに気付いたらの話

『ザック、僕は君を好ましく思ってる
今はそれだけで充分なんだ』

この先は……まだ行ってはいけない

ザックがわからないままじゃ

僕も彼も納得出来ないから

「………わかった」

『ありがとう、ザック』

今はこのままでいい

＊
レイside

学園を卒業してからAは変わった

ううん、Aだけじゃなくてザックも

二人は手を繋いで私の前を歩いてる

ザックは不器用で、Aは照れくさそうに

そんな二人を見て思わず笑みが零れる

ーーーーあれ？私、笑った？

「おい、なにしてんだ、レイ。置いてくぞ」

『レイ！みんなもう来てるよ！』

「あ、うん」

ーーーー近くにあった木を眺める

ピンク色の花が咲いている

ヒラヒラと舞い落ちる花びらは

あの二人を祝っているようなそんな気がした

「おい、レイ！」

「うん、今行く」

END