【殺戮の天使】僕は殺人鬼ー化け物ーです (ページ24)

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番外編「もしも学園だったら？11」ページ24

急に静かになった

周りのものの音も聞こえない

嵐の前の静けさとはこのことか

いや、この場合は嵐が過ぎ去ったか

「いま、なんつった？」

僕は居た堪れない気持ちになり

"なんでもない"と言って

そこから走って逃げた

彼は追いかけてきたけど

頭が回らないことぐらいは知ってるから

彼には絶対見つからない場所に逃げ込んだ

多分、彼はここに入りたがらない

「どうした？そんなに急いで」

ここは神父様の部屋だった

彼は神父様のことが苦手みたいだから

わざわざここに逃げてきた

神父様には申し訳ないが

匿ってもらおう

『バタバタしてしまい申し訳ありません』

神父様は呆れたように

ため息をついたあと

持っていた資料に目を移した

「ザックか？」

仕事に戻ったと思ったら

僕に話しかけてきた

突然のことだったが

冷静に"そうです"と返す

「お前達は仲がいいのか悪いのか
よくわからんな」

『……そうですね。ですが
当事者の方がわからない方が多いと思います』

実際、彼と僕は

一体どんな関係性なのだろうか？

自分でも測りかねているのだから

「ーーー最近の調子はどうだ？」

今度は具合について聞いてくる

僕はたまに無茶をして

知らぬうちに病にかかることがある

それを心配してくださってるのだろう

『大丈夫ですよ』

やっぱり神父様は優しい

一緒にいて落ち着く

もしお爺様がいたなら

こんな感じだったのだろうか？

だが、神父様に対して

そんなことを言うのは

失礼だと思うので控える

「そうか…ならよかった」

そういって仕事に移った

…………ここにいても

邪魔な気がしてきた

ザックも諦めただろうし

そろそろ寮に戻ろうかな

『お忙しい所、失礼しました』

外に出てドアを閉める

ーーー神父様、今日はどうしたのだろう？

なんだかすごく寂しそうな顔をしていたような…

いや、あの方にとってそんなことあるわけないか

踵を返し、寮に向かおうと

一歩踏み出した瞬間

右肩を誰かに掴まれる

『え？』

「見つ、けたっ！」

息を切らしているザックがいる

え？諦めて帰ったんじゃ？

ーーーああ、こいつの頭に

諦めるなんて文字あっただろうか

いや、あるな

これは違う

ただ単にしつこいだけだ

「急に逃げんなよ！おかげで疲れただろうが！」