【殺戮の天使】僕は殺人鬼ー化け物ーです (ページ13)

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白い蛇はページ13

"貴様も所詮人間だな"

【人間】…？

そんなことを言われたのは初めてだ

”どうした？そんなに珍しかったか？”

うん、だって僕はずっと

普通じゃなかった

”その男ももはやまともではあるまい”

そういわれてザックを横目で見る

大人しくなったおかげなのか

寝息は先ほどよりましになってきた

「……………あ？」

―――あ、起きた

視線に気付いたのか

虚ろな目でこちらを見る

「…なんだ、変な顔して」

――――変な顔？

”自分でわからないのか？”

二人に問い詰められるような形になっている

「お前今――――」

”貴様は今――――”

「”俺/そやつを睨んでる”」

――――――――は？

敵意を向けていると？

よく、わからない

だけど…多分それは

さっきの白い蛇の件だろう

『…僕は神に近い存在はいると思う』

「――――だろうな」

彼は僕の意見に同意した

あんなに”神はいない”と断言していたのに

どうして？と聞いた

どうやら僕の体を乗っ取って

ザックと話をしたらしい

『なまえもしってるの？』

「あ？…まあな。特別だからとかなんとか
名前は口にするなって言われてるけど」

そうか、ハダは彼を殺さなかったのか

”で？”と返される

どうやらなぜ敵意を向けたのか

知りたいようだ

『………白い蛇を殺したでしょ？』

”それがなんだよ”と

言いたげな顔だけど

どうやら最後まで話を

聞く気はあるらしい

『白い蛇は……神の使いだよ』

ザックは”は？”とでも

いいたげな顔でこちらを見る

『僕の母親は神の使いを
信仰する家系なんだ』

あまり話すと呪われるから

これ以上は話せないけど

そのせいで僕は首元に

呪いの爪痕が残ったのだ

「―――で、そういうことを
知ってるってか？」

『うん…だから僕は神の使いである
蛇たちを殺せないの』

ザックは”ああ、なるほど”と

納得した様子で頷いた

「…お前は俺が許せないのか？」

『…ううん、君は何も知らなかった
僕はそんな君を罰する気はないよ』

ザックは驚いたような顔をする

”罰する気はあったのかよ”

と、ふてぶてしい顔をするが

どこか嬉しそうな………

「お前、甘すぎだ」

苦しそうな表情をしながらも

嬉しそうに笑うザック

胸がきゅっと握りしめられるような

そんな感覚に陥る

こんな気持ちになったのは

初めてだったから…

どんな顔をしてザックを

見たらいいか、わからない