ー…本当は気がついてた…ー ページ39
暗夜兵「そ、そんな…
ラズワルド殿！」
サイゾウ「爆ぜ散れ！」
暗夜兵「うわあぁぁぁ！！」
先ほど私を刺そうとした兵士を
サイゾウは倒した
感謝するべきなのだろうけど
いまはそれどころじゃなかった
――血が…血が止まらない！
止血…止血しなくちゃ
私は急いで服の袖を破ろうとした
でもうまくいかず手間どう
はやく…はやくしなくちゃ
ラズワルド「…………っ」
アズールはなにか喋っていた
でも焦っていた私には
よく聞こえなかった
ただ…謝罪の言葉だったと思う
「しっかりして！まだ、まだ…助かる！」
アズールは震える手で
私の頬を優しく撫でる
ゆっくりと口を動かし
かすれた声で――……
ラズワルド「―――――」
周りの雑音だけが消えて
彼と私だけがいる世界
そんな錯覚を覚えた
あんなにも小さな声だったのに
なぜだろう…はっきり聞こえたの
だから、私は信じたくなかった
アズールの手は私の頬から床へとずり落ちた
私は彼の手当をやめなかった
そのときだ、誰かが私の腕をつかむ
「……離して」
リョウマ「無駄だ…やめろ」
「離してよっ」
リョウマ「……そいつはもう死んでる」
私はその言葉を聞いて
人形のようになってしまった
死んでる？
……違う、知ってた
程よくまだ温かいけれど
彼は息をしていない
次第に彼の体温が冷たくなっていく
彼がもうなにも喋らないのは
目を閉じたまま笑っているのは
きっと…そのせいだから
本当は気がついてた
自分の気を紛らわしたくて
貴方は本当は生きているのかもしれないって
そう思って、こんな無駄な行動をしていた
「どう…して……」
涙があふれて止まらなかった
なにもいえなかった
王城の外で会って
それきりの会話
もっと話したいことがあったのに
もっとしたいことがあったのに
私がどれだけ貴方のことを好きか
ずっと一緒に生きて、伝えたかったのに
………私は涙を拭いて
ぎこちなく笑って見せた
「ねえ…アズール。貴方はきっとこういうよね
”笑って、君には笑顔が似合うから”って
ありがとう…でもね、それは貴方も同じなんだよ…」
貴方の笑顔に何度救われたか
貴方の笑顔で周りも輝いて
楽しくて、嬉しくて幸せだった
彼の首にはあの首飾りがあった
私はそれをとる
「……ありがとう、大事に持っていてくれて」
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まな★★(プロフ) - 絵馬さん» コメントありがとうございます！しばらく更新できずに申し訳ないです<m(__)m>完結まで頑張って持ってきますね！ (2018年3月27日 20時) (
レス) id: 68753d1748 (このIDを非表示/違反報告)
絵馬 - コメ失礼します。私はFEifをやっていて少し懐かしく感じました。覚醒から読みましたが、とても読みやすくてびっくりしました。更新頑張ってください！ (2018年3月20日 22時) (レス) id: 94b890890c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなさん★★ | 作成日時：2017年9月27日 21時
