【殺戮の天使】僕も殺人鬼の一人です

僕らは道具なんかじゃない ページ38

レイはなにやら


モニターを見てるみたいだ


……あっザック映ってる


レイはザックに声をかける


………やっぱりいつもより


イラついてるな



「こっちのモニターに
ザックの姿が映ってる
…私の言うとおりに動いて」



レイは指示を出すが


ザックは一向に動こうとしない


様子がおかしい



「うるっせぇ！！俺に指図すんな！！！！」



………子供のだだこねみたいなものか


いや、それだけじゃないのかもしれない


ザックは無言になり


こっちに来たと思うと


一人でドアを開け中へ入っていく


そして思いっきりドアを閉めた



『レイ、気にしないで
きっと嫌なこと思い出してるだけだから』



僕はそういって


ザックに続き、中へ入る


開ける前に聞こえた


ザックの叫び


”俺は…道具じゃない”


………知ってるよ


僕も君もレイも……


道具なんかじゃない


密かに殺意をもらしながら


次の試練へ挑む



「あーっははは、はぁい！
生身では初めまして！」



『…………殺す』



傘の先っぽを抜き取り


銃にする


僕は一発撃ったが……


…なるほど壁があるわけね



「もういきなりご挨拶ね？A」



『戯言はいい
さっさとこの部屋がなんなのか説明しろ』



「ふふっ口が悪いわね
そんなんじゃモテないわよ？
まあいいわ！」



ここは注射器で


薬を自分に投与し


ドアが開く仕組みになっているらしい


片方はビタミン剤


もう片方は危ない薬



「あ！そうそう！三人いるから
もうひとつ用意しないとね！」



ボタンを押すと


注射器が乗った台が一つ増える


どんな仕組みだよっ


…ま、確実に増えたやつは怪しいやつだな


でも打たないと進めないし


とりあえず僕らは話し合うことに



「俺はこんなところで死ぬ気はねぇ。
あの女に殺されるなんざごめんだ」



「………じゃあ、私が両方
打とうか？」



「あぁ！？てめぇそれで
起きられる自信があんのかよ！？」



「………さぁ
それともザックが打ってみる？」



「あぁ！？嫌に決まってんだろうが！」



…話のケリをつけようか


あの女に殺されるのは


嫌って思うけど


別に死んでも構わない………



『僕が打つよ』



「「え？/は？」」



新しく出てきた注射器をとりあえず打つ


…まだなんともない？



『じゃあ、あと二つ頂戴』



「ダメだ…それ俺に寄こせ」



『ちょっ！ザック！！』



「ザック返して」

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