【殺戮の天使】僕も殺人鬼の一人です

決別 ページ37

ねえ…キャシー


僕いまあんな夢見て


イライラしてるんだよ


ザックのことなんか知らない


僕にお前を殺させろっ



「――ねえせっかくだから
もう一度聞いてあげるわ
牢獄で一生を過ごすのはどう？」



「……だから入らねぇって
言ってんだろうがしつこいんだよ」



…しつこさで言ったら


エディにも劣らないんじゃない？



「あらつれない。私を楽しませてくれる
道具にはなってくれないのね？」



『……は？』



「――道具っていうのはね
貴方達のことを言ってるのよ？
だって貴方達見てるとほんと可笑しいんだもの！
Aもそう思うでしょ？」



僕は…僕が口を出していいことじゃない


でも、正直に言うと可笑しいというのはわかる


例外といったほうがいいかな



「ずいぶんと変な約束事をしているのね？
危うくってお互いの身勝手を
押し付けただけの約束

利害は一致しているように
見えるけどお互いが道具にしか過ぎない
――でも本当の道具はどっちなのかしら？」


…逆なでするための放送、か


ほんっと性悪女


………ザックはいつになく不機嫌だ


よっぽど”道具”といわれるのが嫌なのだろう


………所詮は人よ


人はいつだってなんだって利用する


たとえ人を道具扱いしようとね


そう…僕も結局


操り人形というわけだ


両親と、僕の中にいる異物によってね


＊


次の試練は…二つの扉、か


底は針の山


………そしてまたいつものように


キャシーの放送が入る…決別ね


見る限り通れる道は二つ


梯子があるほうはレイが


渡るだけで精一杯


やっぱり、二手に分かれるのがいい


僕はザックとともに行くことになる


これぐらいの距離ならジャンプでいけるな


パァンッ


………銃声？



「あいつ死んでないだろうな」



『大丈夫じゃない？
ここまで来れたんだし』



「………ふんっ」



『あ、ちょっと！』



…ザックはあっちに行ったけど


遠目から見たら


行き止まりだったような気がする


にしても複雑に作ったな


迷いそうだ


ま、しらみつぶしだ


…………おっ



『つ、ついたぁ…』



「速かったね」



『あっレイが先か
やっぱあっちのほうが楽だった？』



「………銃声聞こえたでしょ？」



『ははっですよね〜』



あとはザックか…大丈夫かな

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