【殺戮の天使】僕も殺人鬼の一人です

マグショット ページ27

最初に撮るのはザックだ


こういうのは初めてなのか


うずうずしている



「動かないで」



「あ？しるかよ
とにかく撮ればいいんだろ？」



「…ブレる」



「んだよ！お前真面目かよ！」



「……はい、そのまま」



レイ…ちょっと悪意が籠ってるよね？


ま、言うこと聞かないザックもザックだよね



『じゃ、レイ。僕のもお願い』



僕は首にネームプレートをかけ


にっこりと微笑む


いや、正確には二ヤリだと思う


カメラの音がすると同時に


その顔をするのをやめる



「…A、もしかして。
さっきの放送の主に対してこの殺意ぶつけてる？」



『あっ、わかっちゃった？ｗ』



ふふっ…ふふふふふっ！


あーあ…はやく殺したい


憎い、気持ち悪い


ああいう性悪女は嫌いなんだよ



「……やっぱりブレてる」



「写ってんだからいいだろ」



どうやらレイの写真も撮り終えたみたいだ


ザックがボタンを強く押したせいで


ブレたみたいだけど


可哀想に


＊


先ほどの扉の方へ行くと


鍵が開いたようだ


全く凝ってるな


あんまりこういう殺し方は好きじゃないな


自分の手で、殺してこそ


満足感があるのに…


先へ進むと


壁に絵が描かれていた


正直に言うと


あまりうまくはない


だけど………


この絵って……………



「おい！なにボ―っとしてんだよ！
さっさと行くぞ！！」



…ザックに促されるまま


先に進む



「…ここ最初の刑罰の部屋かな
椅子に座ってるのは…人………？人形……？」



なんで、電気椅子があるんだ？


まさかあれが刑罰？


でもどうやって座らせる気なんだろ


どこかに仕掛けがあるとか？



「向こうに扉があるがこいつが邪魔しやがる」



「…壊さないの？」



「あ？壊せねぇよ！この壁、鉄だろ」



「『………え』」



あのザックが、学習、した…だと！？


なんてね


人はどんなにバカでも一つぐらいは学習する



『よかったね！ザック！
これで少しは頭が補えたんじゃない？』



「一々感にさわるこというな！」



『ザックにも感がさわることがあるんだね！』



「てめぇ…わざとだろ？」



ほんっとからかいがあるなーｗｗ


…だからこそ、穴でもあるんだろうけど


とりあえずどうやって抜け出すか


それだけ考えるか

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