【殺戮の天使】僕も殺人鬼の一人です

神様に誓って ページ22

なんでヒビ入ってるの！？


なにこいつ、バカ力なわけ？



「そいつをつまんねぇ顔のまま
殺すってか？バカかお前！」



……………まあ、確かに


それはちょっと残念な気がするね


もっとレイのいろんな表情を見てみたい


そう思うのは僕も同じみたいだ



「―――おい、聞こえるか、
てめぇだよ。てめぇ！」



「……わた、し…？」



「そうだよ！おい！てめぇ勝手に
殺されようなんざ思うんじゃねぇぞ！

――このビルにはお前を殺したい奴が
たくさんいるんだよ！」



実際、僕もその一人だったけど



「でも絶対に俺がお前を殺してやる
―――神に誓ってな！」



《神に誓いなさい！》



…………また模様が疼く



「神…様に…？」



「あぁそうだよ。だから！
俺以外に殺されんじゃねぇぞ！！！」



『気をしっかり持って！！』



無言になるレイ


冷や汗が流れる



「…わかった」



「レイチェル？」



「そのまま思いっきり」



僕とザックは武器を構えて



「壁を叩いて…！」



レイの掛け声とともに


僕とザックは壁を壊した


そこにはレイが凛と立っていた


………母上にそっくりね



「―――よぉ………クソガキはどこだ？」



―――――…どうして？レイチェル…
ボクが殺しても問題ないのに…―――――



「ばぁか！問題ありありなんだよ！」



…あきらめが悪いわね


エディもザックも…………


でも、レイはザックを選んだ


それがなによりもの証拠



―――――…いつもそうだ。
ボクの大切なものはみんな
誰かに奪われていく…そんなの…イヤだ…―――――



『………ボソッ))ふふっ、くだらない』




―――――…だから、だから…ボクは…
レイチェル。君はボクが殺してあげるよ。
だから。待ってるね？…―――――



＊



逃げたわね…


そしてザックとレイの言い合い


はぁ…困ったものだ


まあ、レイはそんなつもりはないのだろうけど



「――さっきこう言った。神様、神様って。
神様にそう神様に《神様に誓って》って…！

―――本当に？”神様に誓って”くれるの？
―――”神様に誓って”殺してくれるの？」



レイ………？


異様だ、すごい勢い


こんなにも神様に対しての誓い


そんなもの


なんのたしにもなりゃしないのに



「っだぁあ！しつけーな！
――俺は！嘘は！嫌いなんだよ！」



「――そう、わかった……私がんばる
貴方の役に立つようにする」

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