On the Edge of Contrasting Worlds 5

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side cn



yt「様子はどう？」


実験を中継している映像をチェックしている僕の元へ、ユウトが来た。


cn「…すごいよ。植物は生き生きとしてる。虫や動物たちも元気そうだよ。」

yt「そうか。ハハ、良かった。このまま１週間はカメラを回して記録していこう。次の会議で皆に報告する。結婚式の３日後を予定してるよ。」



結婚式は、すぐそこまできている。


ケイちゃんは、このまま、本当の自分を思い出すことなく、


ユウトと新たな人生を送っていく。



cn「わかった。じゃあそれまでに、経過のレポートをまとめて、報告書を作成するね。」

yt「レポートは、交代でやろうな。ユウリばかりに負担はかけれない。」


そう、僕を気遣うユウトは、いつも通りの優しい兄で、


僕の、大好きなお兄ちゃん。




cn「…ユウト、」

yt「ん？」


モニターに見入るユウトに、


cn「ケイちゃん、ドレスとっても似合ってたよ。」

yt「…そうか。」


そう伝えると、本当に嬉しそうに笑顔を見せた。


cn「本当に綺麗だった。」

yt「…クス、それは楽しみだな。」


くしゃりと笑う兄は、本当に純粋に、あの可愛い人が好きなんだ。


yt「…ユウリ、」


突然、真剣な声と表情で、僕を見るユウト。


yt「…心配させてごめん。」

cn「……、」

yt「ケイを、傷つけるつもりなんて、微塵もなかった…。」

cn「……、」


そう俯いて、震えながら涙ぐむ姿に、僕の心はひどく締めつけられた。



yt「……ただ、愛してるんだ。」



そう、僕の瞳を真っ直ぐに見つめたユウトの瞳から、宝石のような涙が、一粒溢れていく。



yt「……失いたく、ないんだ…。」



そう続けて、閉ざされた瞳から、涙が溢れ出て、



cn「……おにい、ちゃん…、」



僕は、無意識のうちに、ユウトを抱きしめていた。




愛する母が、亡くなった時も、


厳しい父に、運命を決められた時も、


この暗闇の世界の、皇帝陛下になった時も、


決して、自らの感情を、表に出すことはしなかった兄。



その兄が、僕の胸に顔を埋めて、声を殺して泣いている。




cn「…だいじょうぶ、お兄ちゃん。」


僕は、ユウトの背中を摩りながら、


cn「…ケイちゃんは、お兄ちゃんを愛してるよ…。」


そう、告げると、


yt「……、」


ユウトは、ゆっくりと顔を上げて、涙に濡れた揺らぐ瞳で僕を見つめて、



yt「……ありがとう、ユウリ。」



と、綺麗に綺麗に微笑んだ。



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