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洗面台の前、俺の背後でドライヤーを片手に、優しい手つきで俺の髪を乾かしていくユウトに、
なんだか、変に緊張していた。
さっき見つけた、あの指輪のことが、頭から離れない。
誰の物なのか、分からない。
けれど、なんとなく、
なんとなく、ユウトには知られてはいけない。
そんな気がしていた。
yt「ケイの髪は柔らかくて、本当に綺麗だね。」
in「…そんなことないよ。」
ユウトが向ける言葉も瞳も、あまりに真っ直ぐで、熱を帯びていて、
どうしていいか、分からなくなる。
ドライヤーを止めたユウトに目を向けると、鏡越しに俺を見つめていて、
in「っ、ありがとう…、」
俺は咄嗟に目を逸らして、手で髪を整えた。
yt「クス、どういたしまして。」
ユウトは微笑みながら、金色の櫛で、優しく俺の髪をとき始め、
と同時に、もう片方の手で、俺の首筋を撫でた。
in「っん…、」
ビクッと震えて思わず出てしまった声。俺はなぜかひどく動揺してる。
yt「クス…、」
けれどユウトはお構い無しに、首筋を撫でていた手を、肩から腰へと、這わせていき、
ゾクッ、と全身が震えて、
in「やっ…、」
思わず、その手を両手で跳ね除けた。
yt「……、」
ユウトは驚いた様に、櫛でとく手も止める。
なにか、なにか言わなきゃ…
in「ユウトっ、話がしたいって…、」
俺は咄嗟に、跳ね除けたユウトの手を握り、振り返って見つめた。
yt「え…?」
in「おれと、いろんな話がしたいって、…そう言ったでしょ?」
yt「…あ、ああ。そうだね。」
in「…髪、ありがとう。ソファで、ゆっくり話そう?」
そう無理やりに笑って、そそくさとその場を離れたのには、理由があるわけじゃない。
けれど、
なにか、
なにかが、心の奥で、
つっかえているのを、
感じている……
in「…なにか、飲む?あ、ハーブティー淹れようか?」
yt「ううん。俺はいらないよ。」
in「…そっか。…じゃあ、どうぞ。」
ソファの方へ手を差し出し、ユウトに座る様に促して、俺はテーブルを挟んでラグの上に座ると、
yt「…クス、」
ユウトは微かに笑って、俺のすぐ隣に胡座をかいて座った。
in「……、」
yt「ケイを見下ろして話すなんて、したくないよ。」
ユウトは、本当に優しくて、
真っ直ぐに、愛を届けてくれる。
だから、
なにも、なにも、考える必要なんて、
ないんだよ。
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Link(プロフ) - さおりさん» さおりさん、読み返して下さり本当にありがとうございます。とても複雑になってしまい、それぞれの想いが入り交じり、苦しい気持ちにさせてしまい、ごめんなさい!さおりさんが下さる感想はとても参考になります。まだ重くなるかもしれませんが、最後までお願いします! (2017年11月5日 6時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
さおり(プロフ) - 昨日今までのお話読み返してみました。BESTで過ごしていたケイのことを過去にしたくないと感じつつも、ケイはもう忘れてしまっていて…とても複雑です(;_;)ユウリもケイのことになると弱くなっちゃいますね(TT)駄目だとわかっていても言えない苦しさが伝わってきます泣 (2017年11月4日 23時) (レス) id: 80f2463613 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みるみるみるきーさん» ううー、そうですよね…!率直な気持ちを聞かせてくれて嬉しいです!皇帝陛下の初恋、めんどくさいことになってますが!どうぞ、あたたかく見守って下さい!本当のケイを取り戻せるまで、どうぞ見守って下さい。いつもほんとにコメントありがとうございます! (2017年11月4日 23時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - ううぅーー。ユウトの気持ちもわからんでもないがぁぁ。結局、やっぱり、洗脳して得た幸福なんじゃないのぉぉ???いいの?それで?それじゃあ、ほんとのケイじゃない気がするよォぉー!!皇帝として立場もあるのはわかるけど。ダメだよォ、これじゃあ。 (2017年11月4日 11時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - さおりさん» さおりさん、いつもコメントありがとうございます!ダークに、なってきました…。純粋ではあるんです。ただ皇帝陛下の初めての恋愛なので…暴走してますね。ユウリはケイにとって大切な存在になってきてます。これからもどんどん感想下さい! (2017年11月2日 6時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
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