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side in
ユウトがくれた、薔薇の香りがする入浴剤でお風呂に入ると、身体も心もとても癒された。
yt「ケイといろんな話がしたいんだ。後で部屋に行ってもいい?」
さっき、遠慮がちにそう尋ねたユウト。
この世界のトップに立つ皇帝陛下なのに、ユウトはいつも紳士的で優しい。
in「……フゥ、」
ひと息ついて、部屋の中を見渡す。
この部屋にも大分慣れてきた。
ユウトがくれた服や靴。身だしなみに使う道具たち。全てがとても質の良い物で、俺が大切に扱われてるのを感じる。
けれど、
なんだろう。
心の中に、ポッカリと、
穴が開いたような、感覚に陥っている。
その時、
in「……?」
なに?
今、ベッドの横の棚の中が、光ったような…
in「……、」
ゆっくりと歩み寄り、棚の一番上の引出しを開ける。
ドクン……___
in「……これ、は…、」
そこには、チェーンに掛けられた、銀色に光る指輪がある。
tk「お前に、やる。」
ドクンッ……___
in「っ、だれっ…?」
低くて…
あたたかい…
声が……
俺の中で、響いた………
ドクン…ドクン…と胸の奥が激しく響く。
スッと手を伸ばし、その指輪を取ろうとした瞬間、
コンコン…
in「っ…!」
ドアがノックされる。
ユウトだ……
in「……、」
俺は、小さなタオルにその指輪とチェーンを包んで、
なぜか慌てて、棚の引出しを閉めた。
ガチャ…とドアを開けると、
in「ユウト…、」
ユウトが微笑んで立っていた。
yt「クス、お風呂入った?」
in「うん。…あ、あの入浴剤、とってもいい香りだった!…ありがとう。」
なんだろう。なぜか焦ってる自分がいる…
yt「…クス、髪がまだ濡れてる。」
そう笑って、自然に俺の髪に触れるユウトの指先に、
ビクッ…と、無意識に震えた。
yt「……、」
in「っ、乾かしてる、途中で…、」
そう、なぜか言い訳するように告げ、咄嗟に俯いてしまった俺に、
yt「…じゃあ、俺が乾かしてあげる。」
ユウトは、ニコリと微笑んだ。
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Link(プロフ) - さおりさん» さおりさん、読み返して下さり本当にありがとうございます。とても複雑になってしまい、それぞれの想いが入り交じり、苦しい気持ちにさせてしまい、ごめんなさい!さおりさんが下さる感想はとても参考になります。まだ重くなるかもしれませんが、最後までお願いします! (2017年11月5日 6時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
さおり(プロフ) - 昨日今までのお話読み返してみました。BESTで過ごしていたケイのことを過去にしたくないと感じつつも、ケイはもう忘れてしまっていて…とても複雑です(;_;)ユウリもケイのことになると弱くなっちゃいますね(TT)駄目だとわかっていても言えない苦しさが伝わってきます泣 (2017年11月4日 23時) (レス) id: 80f2463613 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みるみるみるきーさん» ううー、そうですよね…!率直な気持ちを聞かせてくれて嬉しいです!皇帝陛下の初恋、めんどくさいことになってますが!どうぞ、あたたかく見守って下さい!本当のケイを取り戻せるまで、どうぞ見守って下さい。いつもほんとにコメントありがとうございます! (2017年11月4日 23時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - ううぅーー。ユウトの気持ちもわからんでもないがぁぁ。結局、やっぱり、洗脳して得た幸福なんじゃないのぉぉ???いいの?それで?それじゃあ、ほんとのケイじゃない気がするよォぉー!!皇帝として立場もあるのはわかるけど。ダメだよォ、これじゃあ。 (2017年11月4日 11時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - さおりさん» さおりさん、いつもコメントありがとうございます!ダークに、なってきました…。純粋ではあるんです。ただ皇帝陛下の初めての恋愛なので…暴走してますね。ユウリはケイにとって大切な存在になってきてます。これからもどんどん感想下さい! (2017年11月2日 6時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
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