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side in
yt「ケイ…、」
芝生の周りに咲く花々、ひとつひとつに右手をかざしていたら、
in「……。」
背後から、求めていた声がした。
それは、頭で求めていたのであって、
決して、心では求めていないけれど。
ゆっくりと、声の主の方を振り返ると、
yt「ここに、いたんだ…。」
もう既に、熱くなった瞳が俺を捕らえた。
in「…うん。ごめんなさい、勝手に。」
yt「いいんだよ。ここは、ケイの場所だって言っただろう?」
in「……好きなんだ。ここ。」
そう、微かに笑みを見せれば、
yt「……それは良かった。」
と、嬉しそうに笑うユウト。
in「……。」
そんなユウトを、艶かしく意味深に見つめると、
yt「……、」
その表情から、緊張が伝わる。
yt「…ケイ、は…、まだお風呂は入ってないの?」
in「…シャワーは浴びたよ。」
yt「そうなんだ。いや、同じ服を着てるから、てっきり、」
in「…また、これが着たかったの。」
yt「…え…?」
in「…ユウトが、くれたものだから。」
yt「………、」
そう呟いた俺に、ユウトは目を見開く。
俺の言葉に、仕草に、焦りと緊張を感じてるのが、伝わってくる。
yt「そ、そうか。…良かった、気に入ってくれて、」
俺はそのまま、わざとユウトに背を向けて、また咲き誇る花々に目を向けていく。
こうして、
焦らすんだ…
ユウトから、俺を求めるまで。
焦らして、焦らして、
どんどん、夢中になるように……
元気がない花をひとつ見つけ、そっと手をかざした。
その途端、花はゆっくりと息を吹き返し、輝きを取り戻していく。
in「…ふふ、」
yt「………。」
俺が花にヒカリを与え、元気になるのを見つめて嬉しそうにする様を、ユウトは黙って見つめてる。
そして、心を捕らわれてる。
あくまでも自然に、そんな作業を続けていくと、
yt「…ケイ…、」
そう呼んで、近付いて来るユウトの気配を感じたけれど、
in「……。」
俺は背を向けたまま、気付かないふりをした。
そして、俺の直ぐ背後まで来たユウトは、
yt「ケイ…、」
と、愛しさを込めた甘い声で呼んで、
フワリ、と背中から俺を抱きしめた。
in「……。」
身体に緊張が走るけれど、敢えてされるがままに、動かずに。
yt「ケイ、ケイ…、」
そんな俺を何度も呼んで、後ろ髪に顔を埋めるユウト。
もう、貴方を逃さない……
このまま、ヒカリに満ちた世界を、見せてあげる……
.
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Link(プロフ) - なつめろさん» なつめろさん、大変嬉しいお言葉ありがとうございます。わかりにくくて申し訳ありません。こちらの物語、ただ今再編中でして、でき次第公開していく予定です。終わりましたらまた公開しますので、少しお待ちいただければと思います。よろしくお願いします。 (2020年5月19日 4時) (レス) id: c881d3e4dc (このIDを非表示/違反報告)
なつめろ(プロフ) - 終始ドキドキしながら読ませていただきました!本当に感動して涙が止まりませんでした。続きもぜひ読みたいのですが、友達ユーザー限定となっているので、もし良ければ友達ユーザーに承認していただけたら嬉しいです (2020年5月18日 23時) (レス) id: 96f532d0e8 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 透羽さん» あたたかいコメント、本当にありがとうございます。コメントに気づかず、お返事が遅れてごめんなさい。このお話で泣いて下さったことが本当に嬉しいです。まだお話はしばらく続きますので、引き続き読んでご感想を頂けると幸いです。 (2017年11月8日 15時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
透羽(プロフ) - 久しぶりにこんなに素晴らしい作品に出会えました!お話の中盤で号泣しながら読んでいましたw作者様は本当に天才だと改めて思いました。勝手ながらお気に入り作者に追加させて頂きました!これからもいろいろな作品楽しみにしています! (2017年11月7日 19時) (レス) id: 9a8d157422 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みかんさん» いつもコメントありがとうございます!ドキドキしてもらって嬉しい限りです!ユウトはケイの為に命をも捧げれる、そこに嘘はありません。と、そこまでお答えしますね!これからもよろしくお願いします。 (2017年10月30日 20時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
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