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ケイちゃんが、あのユウヤくんの名前を呟きながら、ひどく泣いていたことを話す、
ユウトもまた、今にも泣きそうだった。
ユウトが泣いたところを、僕は見たことがない。
あの、厳しく恐ろしかった父に従うしかなかったあの頃も、ユウトは涙ひとつ見せずに、泣いてばかりいた僕をいつも助けてくれた。
そのユウトが、今、涙を浮かべている…
yt「苦しいんだ…。」
cn「…ユウト…、」
yt「…ケイは、アイツを忘れられないのかな…?」
忘れ、られないも何も…、ケイちゃんはまだユウヤくんと恋人同士なんだ…
yt「アイツを、愛しているのかな…。」
ユウトの中に生まれた、哀しくて刹那くて、あまりに苦しい気持ちは痛いほど伝わる。
でも、ケイちゃんがここへほぼ無理やりに連れて来られてからまだ数日。
そして、その寸前まで、あのユウヤくんとは愛し合ってたんだから。
ユウトに、それをどう説明すれば、分かってくれるんだろう。
でも、僕たちにはケイちゃんが必要だし。
ユウトに、諦めてもらっても困る。
それに、何より苦しんで、哀しみに打ち拉がれるユウトを見るのは辛い。
要は、ユウトがケイちゃんを墜とせばいい話なんだ。
誰が見ても言葉を失うくらいの美貌で満たされた、この世界の頂点に立つ皇帝陛下。
そんな相手が、情熱的に求愛すれば…
cn「ねぇ、ユウト、」
俯いていたユウトの肩に手を置いて、僕は優しく微笑んだ。
cn「きちんと、恋愛、してみようよ?」
yt「……れん、あい?」
ユウトは顔を上げて、不思議そうに、
cn「…ケイちゃんを、振り向かせよう。」
ニッと笑った僕を、ぼうっと見つめた。
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Link(プロフ) - なつめろさん» なつめろさん、大変嬉しいお言葉ありがとうございます。わかりにくくて申し訳ありません。こちらの物語、ただ今再編中でして、でき次第公開していく予定です。終わりましたらまた公開しますので、少しお待ちいただければと思います。よろしくお願いします。 (2020年5月19日 4時) (レス) id: c881d3e4dc (このIDを非表示/違反報告)
なつめろ(プロフ) - 終始ドキドキしながら読ませていただきました!本当に感動して涙が止まりませんでした。続きもぜひ読みたいのですが、友達ユーザー限定となっているので、もし良ければ友達ユーザーに承認していただけたら嬉しいです (2020年5月18日 23時) (レス) id: 96f532d0e8 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 透羽さん» あたたかいコメント、本当にありがとうございます。コメントに気づかず、お返事が遅れてごめんなさい。このお話で泣いて下さったことが本当に嬉しいです。まだお話はしばらく続きますので、引き続き読んでご感想を頂けると幸いです。 (2017年11月8日 15時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
透羽(プロフ) - 久しぶりにこんなに素晴らしい作品に出会えました!お話の中盤で号泣しながら読んでいましたw作者様は本当に天才だと改めて思いました。勝手ながらお気に入り作者に追加させて頂きました!これからもいろいろな作品楽しみにしています! (2017年11月7日 19時) (レス) id: 9a8d157422 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みかんさん» いつもコメントありがとうございます!ドキドキしてもらって嬉しい限りです!ユウトはケイの為に命をも捧げれる、そこに嘘はありません。と、そこまでお答えしますね!これからもよろしくお願いします。 (2017年10月30日 20時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
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