The Artificial Hero Reborn

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リョウのカレーの方がむしろ普段より数万倍喜んだだいちゃんに、うんうんなんせシール付きだからね、と自分に言い聞かせていると、


『ウマい！！やはりケイの料理は最高だ！！』


と、一緒に極甘カレーを食べて、今度はパァッと顔を明るくさせ褒め称えるユウヤ。


「それ俺の料理ではないけど。」

『なに！？だがケイの手で運ばれただろう！？』

「うん、お湯に入れてあっためただけだけどね。」

『ケイが沸かしたお湯だろう。ウマいはずだ。』


ユウヤなりにたまには超手抜きしたっていいんだよ、って伝えてくれてるのかな。

なんか様子がおかしいなぁと思う背景に、あの外見だけは爽やかで芸術的な彫刻作品のような彼が、


「あはははっ、けいさーんっ！」


こちらに手を振りながら、白い砂浜を走ってくる幻想が過ぎった。







夜も更けた頃、だいちゃんが眠りについてリビングに戻ると、お風呂上がりのユウヤがソファに座り、


『この沸き立つ欲望を抑えるんだ！！オレは何としてもケイの突入を防ぐ！！』


とても独り言とは思えないボリュームで、なんだか激しく葛藤しているけど、俺の突入を防ぐってなに。


「ユウヤ？大丈夫？」

『っケイ…！』

「なんかあったの？」


きっとロクなことじゃないと察しはついてるが、一応尋ねながら隣に座ると、


『っ…ダメだ！！』


ユウヤはサッと俺から距離を置き、


『今夜、オレがケイに触れることはない。』

「…え？」

『指一本足りとも触れはしない！！』


えっと、なんだろ。今日はしたくないってことなんだろうけど、否めない残念な気持ちはあるけど、そんなに強く宣言する必要ある？


「うん、わかった。じゃあ一緒に寝よ？」

『っ、一緒に…！？』

「え、うん。いつも寝てるじゃん。」

『至近距離でその果実のような唇から出る甘い吐息を感じながら、滑らかな白い柔肌を目の前に、それでも触れることは許されずに、己のオノレの気が昂まるのを抑えきれずに遂には自爆しろというのか！？』

「えっと、どれ一つとして言ってないし、そんなに長い文章言えるんだね。」

『こ、これは、史上最悪のミッションだ…！！』


よくわかんないけど、まあまあ疲れてるからいろいろと憶測するのはやめよう。またなんかの映画観て影響受けたのかもしれないし。きっと明日になったら普通に、いやそもそもが普通じゃないけど、いつものユウヤに戻ってるだろう。

そう思い直した時、


『こうなったら最終手段だ。』


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