The Artificial Hero Reborn

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倦怠期について、かくかくしかじかと説明すると、一応気を収めてくれたユウヤ。

長年一緒にいると関係がマンネリ化してしまい、相手に新鮮味が感じられず飽きてしまうこともあるんだよ、と伝えると、


『飽きるだと？好きなのに何故飽きる？』

「だから長年一緒にいすぎると、そんな風に感じてくることもあるの。」

『オレはケイに飽きることはない。』

「…ん、まぁそう言い切れるのは良いことだけどさ、」

『オレの戦闘力を上回る敵と対面する時くらい、ワクワクさせられる。』


どこかで聞いた台詞だと思ったと同時に、そんな比喩表現法、一ミリも嬉しくねぇ、とけいさんを哀れに感じる。


「まぁでも、けいさんは違うかもよ？」

『なに？』

「ユウヤが突入しなくても、けいさんが倦怠期に突入しちゃうことはあるかもしれないし、」

『っ…な、なんだと…！！？』


自分の悩みを軽い気持ちで、けいさん命のアーティフィシャル戦士とシェアするんじゃなかった。水溜まりを飛び越えるくらいの軽いステップでけいさんを巻き込んでしまったことに、俺はのちに懺悔することになる。





ユウヤはそのままブツブツと「ケイが突入…ケイが突入…ケイが突入…ケイに突入…」などと何やらおぞましい上に途中から意味が変わってると思われる独り言を呟きながら、俺のタブレットを手に、珍しく自室に篭ったが、


「できた。食べよっと。」


俺の昼ご飯のカップ麺ができた頃には、つまりはものの３分で出てきた。


「ユウヤも昼ご飯食べる？」

『いや、オレは帰らねばならない。』

「…えっと、けいさんたちのとこへ行くってことだよね？」

『ああ。ケイに突入する。』

「ちょ…、」


引き止めるつもりもなかったが、その間もなくユウヤは拡げた時空空間に飛び込んでいった。

えっと、けいさん大丈夫かな。いつも面倒なことに巻き込んでしまってほんとすいません。でももう大分慣れてくれたかなぁとポジティブに捉えてます。

そう、心の中でけいさんに語りかけながらラーメンを食べていると、ユウヤが置いていった俺のタブレットの画面が目に入る。


倦怠期 突入 検索。

倦怠期の簡単な解決方法を教えます！その一、喧嘩をふっかける。その二、浮気をチラつかせる。


…えっとうん、見なかったことにしよう。

履歴削除、と。


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