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「……なんだ、この本。」
じいちゃんの書斎でひとり、本を手に呟いている。
出だしこそ壮大な内容を伺わせたが、若干の違和感を感じつつ次のページを開いてみる。
「んと、なになに、来たる2019年12月31日午後11時59分、あなたが今立つその星すなわち「地球」が消滅します…、」
軽いな、書き方。フィクションだからそんなもんか。日時がやけにリアルだけど。
とりあえずハリーポッターのようなファンタジーとは少し違う内容のようだ。
“この本を手にしたあなたが、その危機から星を救う第一人者となります。もし何か都合が悪く、その任務を遂行できない事情がある場合は、この本を信頼できる誰かに託しておいて下さい。
尚、この権利を放棄された場合は、星の消滅及びそこに存在する生物の絶滅は、免れないもの、とご理解の程よろしくお願い致します。
つきましては、来たる2019年10月10日午後8時15分ぐらいに、宇宙危機管理センターの者がそちらにお伺いしますので、彼の指示に従ってその後の対応をよろしくお願い致します。”
いや寧ろ、物語じゃなくないか、これ。
会社とか役所とかから来た通達のような書き方だけど、別に俺に宛ててるわけじゃない。
この本を手にしたのがじいちゃんで、託されたのが俺なわけない。
そして今日の日付が2019年10月10日なわけない。
じいちゃんが大事にしてた古時計の針が、ちょうど8時13分を過ぎた頃なわけない。
だいたい、こんなフィク、
『フィクションじゃないよ。』
「っひいっ！！！？」
母さんでも、ばあちゃんでも、はたまた俺の記憶にある親戚の誰かじゃない声が、俺の背後で響いたなんて信じない。
けれど、ひい、の「い」の形で固まってる口と、振り返って飛び込んだ対象に思わず眼孔開いた目は、紛れもなく俺のもの。
『ども、宇宙危機管理センター、』
「え、え、え、え、え？え！え！？えっ？」
たぶん人生で初めて平仮名の４番目の字をこれほど沢山吐き出した。
震える手に持つ本を閉じ、表紙を再度確認。
そして、目の前の対象を確認。
ぶんぶんと首を本から対象、対象から本へと数十回繰り返しながら、例の平仮名をまたも連発。
「え、これ、このっ、この人っ…？」
『…えと、宇宙危機管理センターから来ました、イノオケイです。』
.
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こさこ(プロフ) - とても素敵でわくわくするytinに久しぶりに出会えました。ストーリーも凄く面白くて、次回の更新が楽しみです。これからも頑張ってください！ (2020年8月3日 5時) (
レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みるみるみるきーさん» みるきーさんありがとう！！！ひっさしぶりの更新…笑 ヤブウとはね、匂わせちゃうイノえもんだよねー笑 (2020年6月6日 23時) (レス) id: 1de82a156c (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - わーい！！更新更新！うれしいー！！なんか、過去になんかあったのー？？と思わせるような言い方は…裕翔が気になるよねぇ。あたしもなるwww (2020年6月6日 12時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - れいさん&みるきーさん☆うん、そう。気に入ってくれてありがとーーーっ笑笑 (2019年4月23日 10時) (レス) id: 10e8c83903 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うんそう！あたしも大笑い！！好きっ！このノリ！！ (2019年4月22日 20時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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