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「っと、ごめん！驚かせて…、」
怪訝な表情を浮かべたゆうと少年に、俺は咄嗟に謝ったが、彼はスポーツ精神に乗っ取ったのかサッと頭を下げた。
「…やぶ、コーチの？」
「っあ、うん！そう、知り合いなんだ…。」
「そうですか。」
「みんな帰ったのに、きみは頑張ってるね。」
「…練習しないと上手くならないから。」
この歳でそんな風に真面目になれるなんて、名前は同じでも俺にはなかった姿勢かもしれない。
「真面目なんだね。もうすぐ試合だって聞いたけど、」
「ああ、はい。でも、僕は試合には出れないから…。」
さっき薮さんからその理由は聞いたけど、目を伏せてそう呟いた彼を前に、少し胸が締めつけられた時、
「あっ、母さんだ。」
と、彼が目線を向けた方に手を振る女の人が見える。
そうか、こうして迎えに来てくれるまで時間いっぱい練習してるんだ。
「ゆうとーっ！」
「っはい！」
「えっ？」
お母さんらしき人の呼びかけに思わず俺が返事してしまい、小さい彼は驚いて俺を見る。
「っあ、ごめんっ！…いや、俺の名前もね、ゆうとなんだ。」
「…そうなんですね。えと、じゃ僕は…、」
「あっ、うん！さようならっ。」
さようならと小声で呟き、背を向けてお母さんの方に走っていく彼を見て、
「ゆうと、帰るわよー。」
幼い頃、同じように習い事の後迎えに来てくれた母さんのことを思い出した。
どうだった？と聞かれ、楽しかった！と答える。すると母さんは嬉しそうに微笑んだ。
だけど、だけど何一つ身にはならなかったんだ。体操、ピアノ、習字にスイミング、そしてサッカー。あ、リトミックなんてのもやったのよって笑われたっけ。今ではそれが何なのかさえわからない。
「ゆうと、」
「…今いくよ、母さん。」
「クス…、ユ、ウ、ト。」
「っ…、イノちゃん…。」
無意識に昔のことを思い出して母さんのことを呼んでた俺の前で、悪戯な笑みを浮かべるのは他でもないイノちゃんで。
「っ、行こ！また徹夜しなきゃいけないんだろっ！」
途端に恥ずかしくなって、目を逸らして歩き出そうとした俺に、
「何一つ身にならなかったなんて、ユウトが思ってるだけ。」
柔らかな声が思いがけないことを呟く。
「……え？」
「ぜんぶ、ちゃんとユウトの力になってるんだから。」
「っ……、」
また、心の内を読まれてからかわれてるんだ。
だってそうだろ。宇宙人なんかに何がわかる。
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こさこ(プロフ) - とても素敵でわくわくするytinに久しぶりに出会えました。ストーリーも凄く面白くて、次回の更新が楽しみです。これからも頑張ってください！ (2020年8月3日 5時) (
レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みるみるみるきーさん» みるきーさんありがとう！！！ひっさしぶりの更新…笑 ヤブウとはね、匂わせちゃうイノえもんだよねー笑 (2020年6月6日 23時) (レス) id: 1de82a156c (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - わーい！！更新更新！うれしいー！！なんか、過去になんかあったのー？？と思わせるような言い方は…裕翔が気になるよねぇ。あたしもなるwww (2020年6月6日 12時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - れいさん&みるきーさん☆うん、そう。気に入ってくれてありがとーーーっ笑笑 (2019年4月23日 10時) (レス) id: 10e8c83903 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うんそう！あたしも大笑い！！好きっ！このノリ！！ (2019年4月22日 20時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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