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「次の試合で負けたら、俺は解任される。」
さようならーっ、と帰っていったサッカー少年たちに向けた笑顔とは打って変わって、ヤブコウタ、通称薮コーチは深刻な表情を俺たちに向けた。
彼が率いるチームは、昨シーズンはトーナメントを勝ち抜き地区一のチームとなったが、今シーズンは練習試合の時点で全敗し、トーナメントに出場できるかも危ういらしい。
「俺の分析と戦略は間違いない。けれど保護者からは俺に対する批判があがってる。」
目の前の彼は、神さまだという事実を皆無にするほどこの地球人にハマりこんでいるが、小学校教師でクイズ王なんて余分な設定付けすぎてるからそんな批判受けるんじゃないのか。
「それも必要な設定なんだよ。誰の為だと思ってんだ。」
「……え、」
そう俺を軽く睨んだ薮さんに、あ、また心の内を読まれたのか、と理解する。
誰の為だ、なんて深すぎる質問だ。この人が神さまだって前提で考えるなら、この地球の為、でいいのだろうか。
「ほぉほぉ、それでチームを試合に勝たせる。それがユウトへのタスクね？」
「っは！！？」
考え込んでた俺の横で響いたキャラメルボイスに全力の「は」を繰り出したが、
「うん、そう。」
その「うんそう」が、もし「運送」なら俺は快く承る。
「できるわけないでしょ？」
「だろうな。」
岡本圭人の時と同様に、特段特異した得意とする特技はない現実の俺を再確認し、薮さんに説明しようとすると、彼は既に察していた。
「はい、できませんよ。サッカーのルールすら知りません。」
「ああ。俺には１%の可能性も見出せない。俺の分析データではアンタがこの星を救うのも限りなくゼロに近い。」
涼しい顔でサラリと述べた彼にはぐうの音も出ない。俺だってそう思う。何が悲しくてこんな凡を極めた男にこの星の未来を懸けたんだ。
そうだ、このまま彼に共感し諦めてもらおう。神さまが諦めたらイノちゃんだって為す術を無くすはずだ。
なんてまあまあ姑息な作戦企てたのに、
「ユウトならできるよ。」
まるで真ん丸の星を転がすように、細い人差し指の上でサッカーボールをくるくると回しながら、
「ユウトなら必ずやってのける。」
イノちゃんは、薮さんにキッと強い瞳を向けた。
その得体の知れない自信はどの辺の銀河からくるのだろうか。そう考え込む俺を余所に、
「へぇ、随分入れ込んでんだな。」
第２の神さまは不敵な笑みを浮かべた。
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こさこ(プロフ) - とても素敵でわくわくするytinに久しぶりに出会えました。ストーリーも凄く面白くて、次回の更新が楽しみです。これからも頑張ってください！ (2020年8月3日 5時) (
レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みるみるみるきーさん» みるきーさんありがとう！！！ひっさしぶりの更新…笑 ヤブウとはね、匂わせちゃうイノえもんだよねー笑 (2020年6月6日 23時) (レス) id: 1de82a156c (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - わーい！！更新更新！うれしいー！！なんか、過去になんかあったのー？？と思わせるような言い方は…裕翔が気になるよねぇ。あたしもなるwww (2020年6月6日 12時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - れいさん&みるきーさん☆うん、そう。気に入ってくれてありがとーーーっ笑笑 (2019年4月23日 10時) (レス) id: 10e8c83903 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うんそう！あたしも大笑い！！好きっ！このノリ！！ (2019年4月22日 20時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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