Seven Fragments of the Mirror

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「勇者ユウトは、あり得ない難題を約１日で完璧なレベルまで仕上げ、観客１万人の前で人生初のドラム捌きを披露。最初の神さまもとい岡本圭人氏は、この奇跡的な快挙を成し遂げたユウトを大絶賛。鏡の欠片は君の為にあるようなものだ。と、緑色に光る欠片を託したのであった。…これで良しと、」

「真実から外れてるのがバレたら、銀河系宇宙法に違反して罰せられるよ。」

「っえ！？」

「んーっ、このお母さんが苦労してお腹の中で育てたのに、まさかの卵巣ごと取り出された上に辛子漬けにされるなんて拷問受けた、無数の集合体の元生命体、おコメに合うねえ。」


ファミレスのような人目につく食堂で、透明人間が定食に喰らいつく図は実におかしい、と今更気づいた間抜けな作者の意向の元、俺たちは個室のある飲食店に来ている。

定食２つの注文受けた店員さんの驚く顔にはもう慣れた。ここ数日で格段に上がっている俺の適応力。

おコメだけは余程お気に入りらしく、元生命体扱いしないイノちゃんは、実に美味しそうに例の元生命体と共に頬張っているが、きっと俺はもう二度と辛子明太子を食べはしないだろう。


「ば、罰せられるって？」

「うーん、懲役２年かなぁ。」

「ちょ、懲役！？」

「うん。でも牢屋に入れられるんじゃないよ。宇宙空間に放り出されるだけ。そしてよくあるケースなんだけど、宇宙空間を彷徨う受刑者は、銀河系パトロール隊の奴らに不審物と間違えられて撃たれて塵にされちゃうんだよねぇ。」


俺は心底この国に生を宿したことを感謝した。

道を歩いてて不審者と間違えられて警察に撃ち殺されるなんてことが一切ないこの国に。


「んふふ、悪いことはできないよねぇ。」


鉛筆で書いてよかった。

先程の行き過ぎた妄想ストーリーは、消しゴムに消去して頂き、岡本氏との出来事を嘘偽りなく書き直す。


「決して100点満点ではありませんでした、俺の不甲斐ないドラム捌きは、宇宙危機管理センターのイノオケイさんの見事な交渉により、認めてもらえる運びとなりました…と。」

「ん、それでね、これが次の神さまの情報だよぉ。」


そう言ってイノちゃんは、四次元ポケットからイノえもんパッドを取り出した。


「…ク、イズ王？」

「百戦錬磨のクイズ王、ヤブコウタさん。可愛い名前〜っ。」


どこで分けるの？ヤブコ？なんてほざいてるイノちゃんの声は聞こえない。

クイズ王から出されるタスクなんて、


最悪な予感しかしない。

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