15 ページ15
再度本を取り、パラパラとめくると、
「っえ！？」
白、白、白。白いページ。
本じゃないよ、ノートだよ。線もないからもはや自由帳だよ。
「これから神さまを見つけていくからさ、そのレポを取ってね。」
「……は？」
「そのレポートが次の星でも役に立つんだから。」
俺の憶測が正しければ、この表紙に載る銀髪の美しい青年はイノちゃん。を、背後で支えるように立つシルエットしかわからない人物は俺だろう。
表紙に載るくらいだから、重要ポジじゃないの？なんで俺、雑用みたいなことさせられんの？他にいないの、書記的な誰か。
報告書も日報も、仕事の中で一番嫌いなんだよね。
だけど、
げんなりと落胆してきた俺に反して「おいしーっ」と、もぐもぐを繰り返すイノちゃん。
真空詰めの塩サバはコンビニで買ったチンしたらすぐ食べれるやつ。ミニトマトは洗っただけ。目玉焼きは焼いて塩振っただけ。
「おいしかったぁ。ユウト、ありがとうっ。」
質素な食事に満面の笑みを浮かべるイノちゃんに、キュッと胸が熱くなる。
乏しい文章力を駆使しよう、と早々に心変わりし、書き出しを考える俺、
わかってる、悲しいほど単純だって。
わかってる、命令される程萌えちゃうMな傾向にあるって。
「ふぁぁぁ、お腹膨らんだら眠くなっちゃった。」
「あ、ベッド使っていいから…。」
「んぅ？うんそのつもり。」
気遣いを気遣いとも捉えてない様子に若干のイラつきを覚えたが、
「ユウトも一緒に寝ようねぇ。」
前言はすぐさま撤回する。
「抱き枕をさぁ、没収されちゃったんだよね。入星管理局の奴らに。検査機に反応しちゃってさぁ。カプセル型に縮小してるのも怪しいって。ありえないよねぇ。」
その抱き枕がないと寝付けないというイノちゃんの話は頭に入ってこない。
その抱き枕の代わりに長身で細身のたぶん抱き心地は全然良くない俺が使われてるなんて現実まだ受け止めきれない。
嗚呼、ふわふわとした銀色の髪が、俺の首筋をくすぐる。
嗚呼、特売で買ったシャンプー使ったはずなのに、独自が放つ甘めのフェロモンと調和して高貴な香りが漂う。
嗚呼、男で地球人じゃない事実だって忘れさせてくれる、柔らかなカラダとの密着感は俺の息子をじわじわと起立させてゆく。
嗚呼、スゥスゥと聞こえ始めた寝息が俺の胸元にかかり、興奮度は増しの増し増しで目がギンギンに冴えている。
嗚呼、７人の神よ。この悩める罪深き男を助けて下さい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こさこ(プロフ) - とても素敵でわくわくするytinに久しぶりに出会えました。ストーリーも凄く面白くて、次回の更新が楽しみです。これからも頑張ってください！ (2020年8月3日 5時) (
レス) id: 4f9f600403 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - みるみるみるきーさん» みるきーさんありがとう！！！ひっさしぶりの更新…笑 ヤブウとはね、匂わせちゃうイノえもんだよねー笑 (2020年6月6日 23時) (レス) id: 1de82a156c (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - わーい！！更新更新！うれしいー！！なんか、過去になんかあったのー？？と思わせるような言い方は…裕翔が気になるよねぇ。あたしもなるwww (2020年6月6日 12時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - れいさん&みるきーさん☆うん、そう。気に入ってくれてありがとーーーっ笑笑 (2019年4月23日 10時) (レス) id: 10e8c83903 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うんそう！あたしも大笑い！！好きっ！このノリ！！ (2019年4月22日 20時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
