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side Kei
ドクドクドクドク…と、ひどく波打つ心臓を、ひと突きされる……
その覚悟はできていた。
意とは反して、哀しい程、危惧の念に襲われるのは、
これから、魔の化身が為そうとしていることが理由じゃない。
この宇宙に、生きるすべての命を案じているのでもない。
想うのは
たったひとつの
目の前の生命のこと ___
けれどもう
無力なおれには、為す術がない ___
そう、閉じた瞳の中ですべてを諦めた、
その時、
シュパンッッ……!!!
何かが切れる音と同時に、風を感じて、
シュッシュッシュッシュッ…
シュパンッッッ…!!!
締めつけられていた身体が、突然軽くなり、フワッと前に倒れそうになった瞬間、
ガシッ………
「っ…!」
そのままなにかに抱き止められ、グイッと引き寄せられた。
「っ……、ハッ…ハッ…、」
一瞬の、ことで、
なにが……、
おきたのか、わからなくて……
ぼやける視界の中、ゆっくりと目を凝らすと、直ぐ側には見慣れた、
愛して、
愛してやまない人 ___
左腕で俺を抱き抱えたまま、その赤い眼は魔の化身を睨みつけ、剣を向けている。
何が起きてるのか解せずに、ただガタガタと震えてるなんて、あまりにも情けないけれど、
もう二度と、感じることはできないと諦めた、この温もりに包まれて、
「りょう…すけ……。」
掠れた涙声を絞り出して、愛しい名前を呼んだ。
涼介は、グッと俺を支える腕の力を強め、
右手に握りしめた剣を構え直し、俺に目を向けることなく、奴に向けた体勢を整える。
『フッ、愚かな真似を。お前の行動など予想していた。』
よ、そう……?
じゃあ、涼介は、
ぜんぶ、おれの為に………
.
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ふるは(プロフ) - 初めましてかな。やまいのに釣られて読ませて頂きました。初めは悲恋なのかな?と思いましたが2人の幸せが見れて良かったです。読ませて頂いてありがとうございました。 (2020年5月28日 10時) (レス) id: e713ca3791 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» お返事ありがとうございます!気づかず遅くなってごめんなさい。ご丁寧にありがとうございました。どうしても世界を救ってほしい内容ばっかりですが、また新しいのも書いてるので読んでもらえたら光栄です。ほんとにありがとうございました。 (2018年4月23日 10時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - すいません!感想が先行して挨拶を書きますれてました!改めましてはじめまして!改めて見直すと少しパーシーっぽさが出てますね!いえいえ、自分のストーリーを持っていることはすごいことだと思います!はい、楽しく見させていただきますね! (2018年4月16日 18時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» はじめまして!感想とっても嬉しいです!お気持ちが伝わりました。パーシーも知ってる上で面白いと言って下さり本当に光栄です。このように変わったお話ばかりですが、よければ他のお話も読んでもらえると嬉しいです。本当にありがとうございました。 (2018年4月16日 11時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - 感想が長くて申し訳ないのですが、すごく面白かったです!次回作も読ませていただきます!長文失礼しました! (2018年4月15日 2時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)
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