a drop of orion 2

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その時だった。


ザザッ……


『っく…、またお前らか。』


気配に気付いた奴の目先、


「よくやったな。」


そう、俺を見てフッと笑うユウトは、直ぐさま剣を構え、戦闘体勢を整えた。


「リョウスケ…、」


次いで現れたケイトが、俺と慧の側に歩み寄り、待っていたふたりが現れたことに、俺は僅かに安堵した。


これでもう、慧を危険に晒さずに……




「…慧を。」


そう、ケイトに目を向けると、


「っ、りょうすけ…！？」


状況を察した慧は、目を見開いて、


「っ馬鹿な真似しないで！涼介っ…！」


掠れた声を荒げ、俺に訴えたが、


「…ケイ、」


ケイトは、取り乱す慧を俺から引き離し、


「っいや！…離れないっ！涼介をっ、涼介を守らなきゃっ…！」


「違う、彼が俺たちを守るんだ。」


そう、静かに告げた。





「…どういう、いみ…、」


声を震わせた慧が、ケイトに目を向けた瞬間、



ズズズズズ………



突然、辺りに不気味な音が響き渡り、



「リョウスケ！剣を構えろ！！」


と、叫んだユウトの方に目を向けると、



「っ……！！」



俺たちと変わらない大きさだった筈の、魔の化身が、見上げる程の高さと大きさに変化していく。



その姿形は最早、魔の化身じゃない、


見るに恐ろしい、魔物……






「っ…、」



剣を構え、直ぐさまユウトの側へと、俺は走った。



「っ、りょうすけっ…！」



と同時に、背後に響いた慧の声……



けれど俺は、


俺が、立ち向かわなきゃいけない。





この瞳の奥で、熱く光る魔法石を目の前に、

奴は最大限の力を引き出している。




石の力が、奴に影響しているんだ。








この力は、お前のものにはならない




おれが、自らの力に変える




たとえこの生命が、滅びようとも ＿＿＿




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