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慧の華奢な震える手の上に、ポタリ、ポタリと雫が落ちていく。
俺の頰にも、生ぬるいのが伝っていくのを感じる。
大きなベッドの上、向かい合って、
ふたりして泣いてるなんて、おかしいね。
俺はキュッと目を瞑り、溢れる涙を流しきり、
「慧…、」
まっすぐに慧を見つめて、
「俺も、慧が好きだよ。」
ずっと抱えてきた気持ちを、
「出会った時からずっと。」
ぜんぶ、言葉に、
伝わるように、言葉にするんだ。
「慧がいたから、俺は顔を上げれた。慧がいたから、外に出ようって思えた。慧がいたから、学校にも行きたい、勉強したいって。慧がいたから、毎日が楽しかった。慧がいたから…、」
そう、一生懸命言葉を紡いでる途中で、
慧は、俺の手を掴んで引き寄せて、
ギュウッと、俺を抱きしめた。
慧、俺はね、
ずっと、ずっと好きだったんだよ。
たとえ、決められたことだったとしても、
たとえ、生まれた星が違ったとしても、
気持ちは、変えられないよ。
それに、慧はずっと、
俺の前で、ありのままでいてくれたから。
抱きしめられた腕の中で、ゆっくりと顔を上げると、
少しその腕の力が弱まり、
淡い色の瞳と、俺の赤が、合わさった。
俺はそのまま、慧の後ろ髪に手を入れて引き寄せて、
膨よかなピンク色の唇に、
震える自分のを、重ね合わせた。
初めて触れたそれは、
柔らかくて、蕩けそうで、
甘い ___
ああ、甘いのは、
慧の白い頰を伝った、涙だ。
オリオンの
人の涙は、甘いんだ ___
重ね合った唇が離れて、お互いの瞳がまた合わさったと同時に、
「…慧は、慧だよね…?」
俺は、そう尋ねた。
「………。」
質問の意味がわからないのか、答えられないのか、
「慧は慧で、俺は俺で。…変わらない、そうでしょ…?」
それでも俺は、そうだ、って言ってほしくて、
「……うん。」
頷いたのと同時に揺らいだ瞳には、
気づかない振りして、慧の柔らかな髪に手を添えて、
もう一度、その唇にキスをした。
オリオンの
涙が混じった
甘い、甘い、キス ___
.
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Link(プロフ) - 青空と虹さん» 本まで読んだんですね!私は映画だけですが、同じく大好きなんです。こうしてパーシーのお話をできるのが嬉しいです。お話の続き、楽しみにしてくれてありがとうございます。私の話はぶっ飛んだ内容ばかりですが、楽しんで頂けるよう頑張ります! (2018年3月9日 7時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - Linkさん» 合っててよかったです!!パーシージャクソンは大好きで、本も全部読んでいたのですが、確かに山田さんに雰囲気似てるかも…!パーシージャクソンの片鱗を探しながら、楽しみに読ませていただきます^^* (2018年3月8日 14時) (レス) id: 66b7c3c525 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 青空と虹さん» はじめまして!コメント読んだ瞬間ににやけてしまいました!ついにわかる人が!と。そうです、パーシージャクソンです!主人公の雰囲気が山田さんに似てるな(勝手な見解です)というとこから妄想を膨らませました笑 コメント本当に嬉しかったです。ありがとうございます (2018年3月8日 9時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - chieさん» chieさん、いつもありがとうございます!コメント頂く度に励まされます!ふたりの行く末を見守ってください。楽しんで頂けるよう頑張ります! (2018年3月8日 9時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - めぐみさん» めぐみさん、ありがとうございます!大好きというお言葉だけで、このお話が救われます。続きを楽しみにしてくれてありがとうございます。これからもよろしくお願いします! (2018年3月8日 9時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
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