a drop of orion

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「確かに、お前の言う通りかもしれない。」


奴の話に、俺は静かにそう答える。



幼い頃から、随分と罵られた。

みんなと違う部分がある。

その現実は、何も知らない俺にとってひどく残酷だった。

投げかけられる言葉は、耳を疑う。

向けられる視線は、氷よりも冷たい。


外に出るのは怖かった。

誰にも会いたくなかった。


そして、こんな境遇を生み出した、


父親を憎んだ。




『フフ、お前なら分かるだろう。そのアカメの所為で随分と酷い目に合ってきた。全く違う生命を宿しても、お前らは違うことを嫌う。自分より醜い、劣ると感じた相手を酷く蔑む。』


まるで俺の心を読んだように諭し、語る奴に対し、


「…そうだな。お前の言うことは理解できる。」


そう同調すると、


「っ…、りょう、すけ…？」


慧の震える声が俺を呼ぶけれど、



「そして、そんな世界はクソ喰らえだ。」



人が変わったかのように、俺は強く言い放った。




『フハハハハッ、やはりな！お前の瞳に魔法石が埋め込まれたのは、偶然じゃない。』


「涼介っ…！」


『お前も私と同じように生み出されたのだろう。』


「……俺が…？お前と、同じ…？」


「ちがうっ、涼介！聞くな！！」


『憎んでいるだろう？そのアカメを創った父親を。その愚か者を愛し、共謀した母親を。』


「っ勝手な、ことを…！」


俺の心情を解きほぐしていく奴は、鋭く睨みつけた慧の、


『そして、お前の感情を利用して、騙し続けた、こいつを…。』


「っ…、」


髪をグシャリと掴んで、


震えるその顔を、俺に向けた。




「……りょ、すけ……、」




淡い瞳から涙を流し、俺を見つめ、首を横に振る慧に、




「……騙していた…。」




俺は感情を押し殺し、静かに告げる。





「俺は、愛してたのに。」





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